以前ご紹介した ソースネクスト AutoMemo S ですが、多くの方に閲覧していただきました。皆さん興味を持っていただけたようですが、同社の「AutoMemo R とは何が違うの?」というご質問をいただきましたので AutoMemo S と比較しながら詳しく調査します。
と、その前に AutoMemo R についてご存知ない方のために AutoMemo R についてご紹介します。
外観と使い勝手・スペック
外観と使用感
まずは外観です。サイズは 104×46×15mm /68g です。非常に軽量ですね。AutoMemo S とは違い物理ボタンを配しています。液晶画面は2.0インチ で、タッチ非対応。操作は物理ボタンで行います。スマホのようなタッチ操作が良いのか、あるいは本機のように物理ボタン操作が良いのか、このあたりの操作感は好みが分かれるところでしょう。
製品スペック
本体サイズ 高さ×幅×厚さ |
約104×46×15mm |
本体重量 | 約68g |
メモリ | 4GB |
ディスプレイ | 2.0インチ / 240×320px |
電池 | 種類:リチウムイオン電池 容量:1400mAh 定格電圧:3.85V |
電池持続時間(待受) | 1ヶ月以上 |
電池持続時間(録音) | 12時間 |
動作保証温度 | 0℃~40℃(結露しないこと) |
保存温度 | -20℃~60℃(結露しないこと) |
外部接続 | Wi-Fi: IEEE802.11a/b/g/n 2.4GHz:1~14ch 5GHz:非対応 Bluetooth®:非対応 外部デバイス 充電端子:USB Type-C 入力端子:3.5mm/3極マイクジャック 出力端子:3.5mm/4極イヤフォンジャック(マイク利用不可) |
録音ファイルフォーマット | OPUS(オートメモ Home 経由でmp3 として取り出し可能) |
サンプリング周波数 | 16000Hz |
量子化ビット数 | 16bit |
外部接続
オートメモS(AutoMemo S)には 3.5mm 3極のミニジャックがあるので外部入力にも対応しています。別売の AutoMemo専用オーディオケーブル ATM-AUD を用いることで「リモート会議などで PCやスマートフォンに接続し、イヤホンで音声をモニタリングしながら録音する」といった使い方も可能です。
そして AutoMemo S との大きな違いが Bluetooth 非搭載 という点です。AutoMemo S では外部マイクやワイヤレスヘッドホンなどを Bluetooth 経由で接続することが可能でしたが、本機への外部機器の接続は有線専用となっています。
利用設定
準備と設定
本機はスマホ AutoMemo アプリ あるいは WEB の オートメモ Home を利用することが前提条件となるため、単体での運用であれば AutoMemo S が最適です。もちろん AutomMemo S 同様に Google または Apple のアカウントが必要になります。 このあたりはアプリやWEBサービスを含め AutoMemo では当たり前となっています。設定に関しては前回記事 ソースネクスト AutoMemo S 実機レビュー に記載してあるので参考にしてください。
利用料金
AutoMemo S 記事でも言及していますが、AutoMemo R を含め、AutoMemo シリーズ(アプリ版を含む)の運用には文字起こしのための料金がかかります。この「料金」は文字起こしのためのクラウドサービスを利用するためのものです。下記に価格表(2023年10月現在)を掲載しておきますが「サブスクで使い放題」ではなく、有効期限と文字起こし時間が決まっている 消費期限付き従量課金 的な位置づけとなっています。
文字起こしサービス 料金プラン
月額プラン、年額プランおよび、時間チャージをご利用いただけます。
無料のお試しプランでは、毎月1時間までテキスト化できます。
お試しプラン | 月額プラン 自動更新 |
おすすめ年額プラン 自動更新 |
100時間チャージ 買い切り |
|
---|---|---|---|---|
料金 | 無料 | 1,480円 /月 | 12,800円 /年 | 14,000円 |
文字起こし 時間 |
1時間/月 | 30時間/月 翌月への繰越しは できません |
30時間/月 翌月への繰越しは できません |
100時間 1年有効 期限内であれば 翌月へ繰り越せます |
お支払い 方法 |
ー | オートメモ Appでのお支払い:App Store、Google Playから オートメモ Home/Sでのお支払い:クレジットカード 「100時間チャージ」のみ、請求書払いもご利用いただけます。 |
音声の録音、録音データの再生は無料です。
自動更新の途中解約による返金、チャージ購入後の返金はいたしかねますのでご注意ください。
ここで重要なのは上記の料金はサービス利用料なので別途インターネット接続環境を用意しなければならないという点です。本機には 2.4GHzの Wi-Fi 通信機能が内蔵されているのでテザリング、家庭・勤務先・公共 Wi-Fi などであれば接続可能です。
AutoMemo S とAutoMemo R の比較
AutoMemo R についてスペックや諸々の詳細がわかったところで AutoMemo S と AutoMemo R の比較をしていきましょう。簡単な比較表を掲載していきますのでチェックしてみてください。
AutoMemo 比較表
オートメモ R | オートメモ S | |
---|---|---|
特長 | ・オートメモ Homeと⾃動連携で⽂字起こし ・シンプル操作 スイッチ1つで録⾳開始 ・⻑持ちバッテリー ・操作しやすい物理ボタン |
・オートメモ Homeと⾃動連携で⽂字起こし ・⽂字起こしの結果まで確認可能 ・タッチパネルディスプレイ搭載 ・⽂字をタップしたところから再⽣できる |
録音 | ○ | ○ |
再生 (通常/倍速/低速) |
○ | ○ |
オートメモ Home との連携 |
○ | ○ |
自動文字起こし | ○ | ○ |
文字起こし結果確認 | ― | ○ |
その他の機能 | ― | ・キーワード検索 ・タップ再⽣ ・お気に⼊り登録 |
タッチディスプレイ | なし | あり |
バッテリー持続時間 | (待機)1か月以上 | (待機)120時間 |
集⾳距離 | 5m | |
⽂字起こし⾔語 | 72⾔語 | |
本体サイズ | 幅:46mm 厚み:15mm ⾼さ:104mm 画⾯:2インチ 解像度:240×320px |
幅:54mm 厚み:12mm ⾼さ:92mm 画⾯:2.83インチ 解像度:480×640px |
外部接続 | Wi-Fi: IEEE802.11b/g/n 2.4GHz:1〜14ch |
Wi-Fi: IEEE802.11a/b/g/n 2.4GHz:1〜13ch 5GHz:5.2GHz、5.3GHz、5.6GHz Bluetooth®:4.2BLE |
こうしてみると AutoMemo R は オートメモ Home 連携を前提として必要な機能に絞って価格を下げて提供され、AutoMemo S は単体でもいろいろできるオールインワンモデルといった感じでしょうか。 AutoMemo S についてはAutoMemo S 実機レビュー にて詳しく解説していますのでご興味があればお読みください。
筆者所感
AutoMemo R の大きな特徴は物理ボタンが搭載されている点です。タッチと違い目視せずに指の感覚で操作できるのでその点では操作性が優れていると言えます。
タッチパネルの原理
スマホや AutoMemo S のようなタッチ式モデルは画面に指が触れるとこの変化をセンサーが感知することでタッチした位置を把握するという仕組みです。それゆえに手袋をしているとスマホが操作できない、手が乾燥しているとうまくタッチが反応しないなど、おそらく皆さんも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
現場や寒冷地などで手袋をしている状態で操作したい場合は AutoMemo R のような物理ボタンを搭載している本機のほうが使いやすいということになるでしょう。筆者はどちらかと言うと本機のような物理ボタンの「押した感」がしっくり来て好みです。
肝心の使い勝手ですが、Automemo S と AutoMemo R 両方を体験した身としては 録音を AutoMemo 端末に頼り、スマホアプリや WEB で内容をチェックという使い方であれば本機 AutoMemo R のほうが使いやすいと感じました。物理キーを搭載しているので操作感が感触(操作している感)でわかるという点も見逃せません。もちろんスマホに慣れている現代人なのでタッチ操作の AutoMemo S も悪いとは思いません。あくまでも操作比較という点において「録音の際にボタンスライドさせてスタート」がわかりやすくていいと思った次第です。AutoMemo R は録音したデータのアレコレを操作するには外部(アプリやWEB)に頼らざるを得ないのですが、AutoMemo S であってもあの小さい画面上で操作するのは難易度が高いため結局は外部頼りとなるためです。市場価格を見ると AutoMemo S のほうが 高機能のせいか AutoMemo R に比べると高めの設定となっていますが、結局のところどちらのモデルであっても「録音音声を自動で文字起こし」という点では優秀なので「操作性の好み」で選んでも良いかもしれません。
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