正弦波 UPS 450W 750VA 対応の APC BK750M-JP が2021年11月登場

「テレワークはノートPCだから停電時も安心」はウソ

緊急事態宣言が解除されて以降も半数の企業がテレワークを継続するとの調査結果があります。企業側から見ればオフィス規模を縮小したことによる経費削減効果もありますし、従業員サイドからは混雑する電車に乗って通勤するストレスからの開放や時間的な余裕ができるという双方にメリットが生じるためです。

そんなすっかりお馴染みになったテレワークですが、自宅で仕事をする上で一番怖いのは自走掃除機やペットによるコンセント外しなどの「強制停電イベント」なのは間違いありません。筆者も似たようなイベント (過去記事参照) を経験しているのでその後の作業のモチベーションが下がり仕事にならないという事態にもなりかねません。あまり大きな声では言えませんが、筆者はやる気を削がれて仕事そっちのけで Youtubeを見ていた 復旧作業をしていた ように記憶しています。

大抵の企業ではVPN接続によるリモートデスクトップ作業なのでデータ消失という事態にはならないかと思いますが、PCや関連機器の電源が切れると同時にやる気、モチベーションも切れてしまいます。皆さんの中には「自分はノートPCだから内蔵バッテリーで大丈夫」と思っている方もいるかとは思いますが、ノートPCだけが無事でも周辺機器はどうでしょう。特に モデムやルーターなどの通信機器の電源切断はデータ通信出来ずに作業中断となる はずです。その他にも外部液晶ディスプレイ、外付けストレージなども使えなくなるのでローカル作業だとしても著しく作業効率は低下するのです。

仕事では使わないけどそれでも UPSって必要なの?

筆者のようなデジタルガジェット系ライターだとよく「個人で UPS(無停電電源装置)って必要?」と聞かれることがあります。

あくまで筆者的な視点での考察ですが 必要というより「必須」ですね。
テレワークなどの仕事での UPS利用は前述のとおり当たり前ですが、プライベートでもPCを利用するなら必須と考えています。高額なパーツを豊富に組み込んだゲーミングPCやデイトレード用PC、マイニングPCを利用しているなら尚更です。それはなぜか。パソコンへの給電が瞬断したり安定しないあるいは電源供給が絶たれた場合、パソコン(電源ユニットだけでなくマザーボード・CPU・メモリ・グラフィックカードなどの構成パーツ)への電力スパイクによる負担は尋常ではありません。ちょっといいゲーミングPCだと総額30万円超(電源ユニットで2万円、SSDで3万円、CPUで5万円、グラフィックカードで10万円、マザーボードで3万円 etc.. etc… )ということも珍しくは無いのです。電源断や落雷など外部要因でこれらのパーツの全部あるいは一部がダメ(回路が焼き切れた場合は基本的に修理困難です)になる。考えたくもありませんね。

どこかの回路が焼き切れたりするとPCは動きません。製品保証で電気ストライクや落雷は除かれているメーカーもあるので事実上自己負担での修理となります。パワーユーザーなら自身でパーツ交換対応するかもしれませんが、一般的にどこが故障したのかを特定することは困難なので事実上の廃棄・買い替えとなってしまいます。そして何より前述のとおり高額なパーツの集合体なのでかなり痛い出費を覚悟しなければならないのが辛いところです。

普段は気に留めないけど実は縁の下の力持ち

仕事でもプライベートでもこれらトラブルを防止するには UPS(無停電電源装置) ですよね。

もちろん何事にも本音と建前があるもので、「データ消失が……」という建前よりも、ゲーマーであれば「レイド戦参加報酬」、「ゲームスコア」、「ランキング順位」、「交換パーツ代」などが気になりますし、デイトレーダーやマイナーであれば「通信できない間の機会損失」というのが本音なのかもしれません。デイトレもせずゲームもプレイしない筆者は趣味で blender を嗜んでいる関係で作業中に電源が切れると困るんです。何時間もかけた労力が一瞬で無かったことにされてしまうのはさすがに辛すぎます。

そうは言ってもUPSは通常時は無くても何の不自由もありませんし、UPSが稼働していることすら忘れてしまう方がほとんどです。おそらく一般の人はその存在を知らず一番重要視されていないPC周辺機器でしょう。UPS購入のために数万円(市価2~3万円台の商品が多い)の出費も必要で、これをどう考えるかです。平穏無事なら年に1~2回お世話になれば多いかもしれません。ですが存在を忘れているということはトラブルがないとも言えます。じゃあ要らない?いえいえ、利用していないことで後悔するのは停電になった瞬間から、復旧作業は長引く(あるいは復旧困難)ということは忘れてはいけません。つまり感覚的には周辺機器だけど立ち位置は「保険」と一緒ということになります。

APCから最新型の「ちょうどいい容量の 正弦波 UPS」が登場


APC BK750M-JP

前置きが長くなってしまいましたが、2021年11月発売予定のホットな製品 APC BK750M-JP をご紹介します。

これまで APCでは同種の製品ラインナップ「BRシリーズ」を展開してきましたが、下記のようにそのラインナップにミドルクラスの製品展開がありませんでした。

製品 BR400S-JP BR550S-JP ——— BR1000S-JP BR1200S-JP
出力 400VA/240W 550VA/330W 450W級 1000VA/600W 1200VA/720W

表を見るとこれまで無かったことが不思議なくらいですが、400~500W級に適合する機種がないため 同社の SMTシリーズや他社製品を検討することに。既存で同社の UPS導入している場合は Power Cute Personal Edition (UPS管理ソフト)で管理しているかと思いますが、他の製品を購入すると別の管理ソフトを利用することになり管理が複雑に。なかなかに不便ですし、これまではこのような理由から他製品の導入に踏み切れない方も多かったようです。

そこで満を持して登場したのが BK750M-JP になります。この製品は APC BRシリーズ(前述)の流れを受け継いだ 正弦波UPSです。新デザインになり、スマホやタブレットの充電に便利な USBポートまでも標準で搭載しているのでこれまでのようなデスク周りでコンセント不足という事態に悩まされる事もなくなりました。

製品概要

製品外観

まずは外観を見て行くことにします。

BK750M-JP は 同社の BRシリーズに比べ、今風(昨今のゲーミングPC筐体のような)の新デザインになりよりスタイリッシュに。BRシリーズにあったデジタルインジケーターが廃され電源ボタン(運転時はグリーンのパイロットランプ点灯)を配置、正面中央にスマートフォン充電対応の USB Type-A ポート(5V 2A)1基、運転時は電源ボタンだけではなくフロント面左右対象にグリーンLEDイルミを配しています。


正面(電源ON状態)

背面(開封未通電時)

天面

左側面

右側面

底面

インターフェース


BK750M-JP 背面インターフェース

① USBデータポート

付属のUSBケーブルでPCと接続することにより通信管理ソフト Power Cute Personal Edition を利用することができます。万一停電の際はPCを安全にシャットダウンし、データおよび機器を保護します。


Type-A to Type-B USBケーブル付属

② バックアップおよびサージ保護コンセント

PCや周辺機器を接続することで落雷や停電による電源断の場合でもPC、モデム、ルーター、その他周辺機器に対して電源供給を維持します。また、ハードウェアやデータは非常に有害な電力スパイク、サージや電気的ノイズから保護します。とのことで機能的には問題ないのですが、隣接するコンセントのピッチが狭いので ACアダプターの場合は 10センチ程度の延長コードを介在させる必要が生じるかもしれません。

③ バッテリーコネクタ

工場出荷時・輸送時などの未使用時はバッテリーを物理的に非接触状態としてバッテリーからの放電を最大限防ぎます。この黄色のピンを本体に差し込んで通電させるのですが、差し込んだ瞬間「バチッ」となります。一瞬のことなので心構えができていれば問題ないのですが、筆者はそれを忘れていたためドキッとしました。

④ サージ機能つきイーサネットコネクタ

いわゆる有線LANを保護するためのものです。保護と言ってもウイルスとかではなく落雷や電気ストライクなどの異常な電気の流れからの保護です。通信ケーブルを保護することでスピードを犠牲にすること無くデータラインから侵入する「バックドア」サージから機器やファイルを保護します。

⑤ 入力配線用遮断器

いわゆるブレーカーと呼ばれる役割があり、過電流による配線の損傷を保護するものです。

⑥ 電源入力

UPSで利用する電源は壁のコンセントから供給することを推奨しています。もし一つのコンセントから分岐タップを経由して利用するとテレビ、パソコン、周辺機器、UPS、照明などの同時利用で軽く1500Wを超えてしまうため、いわゆる「タコ足」になることでコンセントにかかる最大負荷容量を超える場合があるので火災の原因にもなり危険です。

また、本体から伸びる電源ケーブルはサージ対応製品のためアースを含めた3ピンということで一般コンセントへはアース接続省略の変換アダプタ(製品に付属)を利用します。壁のコンセントに挿すとプラ部分で5センチ、ケーブル(曲げても)で2センチほどになるので 7cm程度壁から直角に生えていることになります。ぶつかったら確実に抜けます(抜けても UPSが稼働しているので問題はないですが笑い話になりそうです)。一般家庭で利用するならトラッキングアクシデント防止の観点からも L字型の変換アダプター(他社製品ですがこんなやつ)を付けてほしいところです。

製品仕様表

負荷運転時間 負荷400Wで約5分(負荷180Wで約9分)
アウトプット電力容量 450W / 750VA
アウトプット接続 (6) NEMA 5-15R (電源バックアップとサージ)
(1) USB Type-A 5V 2A
定格出力電圧 AC100V
定格入力電圧 100V/110V/115V/120V
入力形態 NEMA 5-15P
サイズ・重量 140mm x190mm x390mm (W/H/D)、約9kg
メーカー保証 3年

PowerChute Personal Edition で運転を監視

単純にUPSを稼働させていても停電時その場にいないことが多かったり……
UPS監視ソフトウェア「PowerChute Personal Edition(Windows版)」 に対応しているのでUPSのヘルスステータス、パフォーマンス、エネルギー使用量などを確認可能で、もし長時間の停電やコンピューターシステムのトラブルが発生したとしても無人オペレーティングシステムでデータ破壊の危険性を回避可能、システムの安全なシャットダウンが可能です。

UPSの選び方

例えば一般家庭で電源を止めてはいけないもの(テレワークや通信環境、ブルーレイ機器の録画予約)等の場合は BK750M-JP を買っておけばほぼ問題ないでしょう。でも自分の環境の消費電力は厳密に計算したわけではないし……。と不安な方で自分の環境にあった UPS適切な容量はどうやって調べるの?という場合、UPSの型番だけ見てもよくわからないですよね。わからないまま安いモデルに飛びついて自分の環境では利用できないといったことを未然に防ぐためにはどうしたらよいでしょう。

超簡単なUPS容量の選び方

ざっくりとした方法ですが、一番簡単なのはパソコンや周辺機器の説明書やカタログを見て「消費電力:○○W」を全部足して、その数値よりも大きい容量の UPSを購入すれば OKです。

とは言っても一般的な消費電力の単位は「W(ワット)」なのに、ほとんどの UPSは「VA(ボルトアンペア)」で表示されています。これはなぜかと言うのは割愛しますが、UPSの対応ワット数はざっくりと UPS記載の VAに「0.6」を掛ければいいと考えておいてください。この「0.6」という数字は「力率」と呼ばれるもので機器によって異なりますが APCの多くの製品は0.6となっています。

BK750M-JP(750VA)でこれを当てはめると 750×0.6=450 なので「合計で 450W までの機器を利用可能」となります。実際には余裕をもたせて接続機器の消費電力の合計を 400W 位までとしておくと機器の利用ピーク時、あるいは機器の買い替えなどで消費電力が変動した場合でも安心ですね。

ちょっと専門的なお話

もしかしたら遠い昔に中学校の理科の授業で習った記憶がある方もいると思いますが、「VA(皮相電力)」=「W(有効電力)」+「VAR(無効電力(バール))」です。そして消費電力は「電圧 × 電流 × 力率」で表すことになります。力率は製品によって異なりますが、PCの高性能な電源ユニットの場合0.7や0.8になる製品もあります。この数値が高いと電力のロスが少なく効率よく運用できるということです。家電購入の際にも応用が聞きますので参考にしてください。

UPSには正弦波と矩形波2種類の製品がある

UPSやポータブルバッテリーのカタログを見ると「正弦波(せいげんは)」「矩形波(くけいは)」などの文字が書かれています。普通の生活では使わない言葉なので、正弦波/矩形波どちらの製品を購入したら良いのかわからないという方がほとんどですが、まずはざっくりと「出力(方式)の違い」とお考えください。正弦波は滑らかな波を描く波形を描く電圧で家庭用コンセントと同等の安定した電圧なので市販の電気製品の多くが利用可能です。他方、矩形波は回路設計的に簡単に出力できますが波形はブロック状で直線的な動きになります。

正弦波と矩形波の波長の違い

この直線的な波形により波形が噛み合わない製品(PFC(力率改善回路)製品)を利用することが出来ません。利用できない製品例として医療機器や電子レンジ、電気ケトル、炊飯器、サーバー、一部のパソコンなどがあります。これらの理由からパソコン関連機器で利用する場合は汎用性のある正弦波出力製品が推奨されています。参考までに BK750M-JP は正弦波 UPSです。

今回はいち早く情報をお届けしましたが、ご購入を検討される方は下記バナーよりどうぞ。

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