おうちカフェを楽しもう。Karita 電動ミル C-90 実機レビュー

テレワークも感染防止対策のためとの理由から普及してすっかりお馴染みになりましたね。
感染防止対策のためという理由以外にもオフィスコストの節減などの理由からテレワークを推進している企業も多いので、週に1~2回、あるいは月に数回の出社のみで、おうち時間が長くなっている方も多いことでしょう。

テレワーク中なら「おうちカフェ」を楽しもう

本来なら近所のおしゃれなお店を見つけて気の利いた音楽の効いたカフェにモバイルPCを持ち出してカフェワークを楽しめばいいのですが、カフェに出かけるためだけにお化粧したりお洋服を選んだり……。朝から晩までみなさんが憧れるようなおしゃれな生活をしているのは映画やドラマの世界だけです。そんなこんなで外出を考えるのさえも億劫に。どうせ家に籠もるならカフェの雰囲気だけでも味わいたいところですよね。インスタントや缶コーヒーでは味気ないのでほんの少しだけ背伸びして大人の本格コーヒーを淹れる「おうちカフェ」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


ところで皆さんが「おうちカフェ」と聞いて一番最初に揃えるコーヒーグッズはなんだと思いますか。
某コーヒーチェーン店のアンケートでは「電動のコーヒーメーカー」と答える方がほとんどだったそうです。一般的な認識ではコーヒーメーカーに挽いた豆をセットして水を適量入れてスイッチオンといった感じでしょう。コーヒーメーカーについては各社とも研究に研究を重ね、蒸らし時間、温度制御、抽出・ドリップ時間などを絶妙なバランスで製品化しています。材料をセットしてボタンひとつで抽出されるので楽ですよね。そんなコーヒーメーカーですが、街のコーヒーショップで飲むコーヒーと自宅で淹れるコーヒーとでは美味しさが違うと思ったことはありませんか。おそらく業務用の機械で抽出しているからショップの方が美味しいと考えるかもしれませんが、実際は家庭用のコーヒーメーカーで淹れるのと業務用のとではそれほど大差ありませんし、マグカップ1杯程度であればハンドドリップが最適です。現にバリスタの手で一杯ずつドリップして提供している ブルーボトルコーヒー のような店舗もありますから。
では一体何が違うのか……

美味しいコーヒーは豆の鮮度が重要

その答えは「コーヒー豆」にあります。もちろんコーヒー豆が違うと言っても高級品という意味ではなく「豆の鮮度」が重要になります。と言うのもコーヒー豆はミルで挽いた瞬間から劣化が始まります。

コーヒーの賞味期限は豆を挽いてから2週間程度とされていますが、品質劣化の原因は主に 湿気(水分)・空気(酸化)・温度(高温)・光(主に太陽光・自然光) です。カフェなどでは消費サイクルが早いので一度に大量の豆を挽いても問題ありませんが、挽いた状態で売られているコーヒーは適切な保存で鮮度管理し、できるだけ早めに消費しなければなりません。

湿気・空気・温度・光はコーヒー豆の大敵

実際に飲んでみるとわかるのですが、豆の状態で保存しているものと挽いて2週間保存したものを飲み比べると、後者は香り、酸味、後味などの風味があきらかに劣化しています。もちろんこれは保存に最適な環境での比較ですから最適ではない保存方法ならもっと顕著に劣化が感じられることになります。それならば豆のまま保存し、都度挽きたてのコーヒーを楽しむということになるのですが、コーヒーマニアの方は別として一般の方はハンドミルで挽く労力を考えると面倒で躊躇してしまいますよね。

自宅で美味しいコーヒーが飲みたいと思う私はコーヒーローストショップで豆の状態で購入し都度都度ガリガリとハンドミルで挽いているのですが、テレワーク推進中ということもあり、家族の分をあわせて1日に数回も人数分を挽くことになります。さすがに二の腕が疲れてしまいます。今は暑い季節なのでホットよりもアイスコーヒーの需要があるため、倍の労力(アイスコーヒーは2倍強の豆を使って濃いめのコーヒーを淹れ氷で薄める)が必要です。ハンドミルはもう何年も使っているので臼刃の摩耗も気になるしそろそろ買い替えたい……。

私の利用するハンドミル

そこで電動ミルに行き着くのですが、Amazonなどの大手通販サイトで見ると中国系の怪しい製品が多く、それらのほとんどが嘘くさいレビューばかりで安全性(発火の心配やパーツで怪我をするなど)が担保されているか微妙です。何より価格だけで選ぶというのも怖いのもがあります。そんな中から一つの製品を選び出すのは至難の業ではないでしょうか。

ここはやはり信頼性のあるメーカー製品ということになるのですが、餅は餅屋、せっかくならコーヒーを知り尽くした専業メーカーの製品を検討してみてはいかがでしょう。専業というとKarita、HARIO、メリタあたりが有名ですね。これらのメーカーではカフェやレストランなどで利用されている業務用コーヒーグッズを製造しているので安心感があります。今回はそんなプロフェッショナルにも愛用される Karita の電動コーヒーミル「C-90」をレビューしていきます。

なぜ Karita コーヒーミル C-90 をチョイスするのか

それはこの C-90 という機種が息の長い製品で基本設計をそのままにかれこれ何十年も販売されている製品だからです。私としては長く発売されているなら市場からも愛されていて間違いはないだろうと思っているわけです。何十年超えと言ってもこの手の製品は既に完成されたアイテムなので陳腐化せずアフターパーツが入手しやすいので臼刃が摩耗したとしても楽天やAmazonあたりでパーツを購入できるのでお財布に優しいのが嬉しいのも魅力ですよね。

Karita コーヒーミル C-90

外観を見ていくことにしましょう。このC-90はホワイトとブラックの二種類が販売されていますが、今回ご紹介するのはブラックモデルになります。

Karita C-90 Black

C-90は一体式ではなく上下セパレートタイプになります。上部の受け皿にコーヒー豆を入れミキサーで細かく粉砕したものを下段のケースで受ける構造です。上下のケースがどちらもクリアなので豆の状況がひと目でわかるという特徴があります。

C-90 で豆を挽く

① コーヒー豆を上部皿(ホッパー)にセットする
豆の分量は1人前あたり約10gです。

上部皿(ホッパー)は最大90gまで投入することができます。

② 挽きの粗さをメッシュ目盛りでセットする
調整幅は 1~9段階で、
 ・サイフォン(細挽き)1/2/3
 ・ペーパードリップ(中挽き)4/5/6
 ・パーコレーター(粗挽き)7/8/9
となっています。

我が家の場合はペーペードリップなので「目盛り5」(下のサンプル中央「ペーパードリップ(中挽き)用」)でセットしました。

C-90でコーヒー豆を挽いた状態。
左から「サイフォン(細挽き)用」「ペーパードリップ(中挽き)用」「パーコレーター(粗挽き)用」

③ 電源を入れ豆を挽くれる
ミルによって挽かれたコーヒー粉が下部の粉受けに排出されます

ミルによって挽かれたコーヒー粉が下部の粉受けに排出されます。使い始めのせいか、静電気により挽いたコーヒー粉がケース内についてしまうことがあるようです。操作の際は振動により蓋などがずれることがあるので本体をしっかりと抑えながら作業しましょう。

プラ製品特有の静電気が発生している。静電気は使い始めのプラスチック製品で顕著に発生することがある。また気温や湿度に左右されることもある。しばらくして落ち着いてくることを期待したい。

ドリップする

我が家の場合はペーパーフィルターなのでコーヒードリッパーにフィルターをセットしお湯をゆっくりとやさしく注ぎます。お湯でコーヒーパウダーが盛り上がって良い香りが漂ってくる至福の時間ですね。抽出は「慌てずゆっくり」が我が家流です。今回はホット3杯分で抽出しました。琥珀色が美しいですね。

ここがすごい

私としては「電動」という言葉だけで進化を感じてしまうのですが、使って見えてきたすごい部分をピックアップしてみます。

  • 複数杯分を一度の作業で挽ける
    うちの場合はホットコーヒー用なら一日分を、アイスコーヒー用なら3人分程度の豆を一度に挽けます。(モーターの負担になるので一度に挽ける豆の量は最大90gまで)特にアイスコーヒー用途では豆の消費が激しいので筋肉痛から開放されます。
  • 豆の粗さは自分好みに
    ハンドミルで粗さを変更する場合は都度のネジ調整が必要になりますが、この C-90 は段階調整目盛がついているのでいつでも自分好みの粗さに調整可能です。

ここが気になる

全体的に良く出来た製品だとは思うのですが、すべてが絶賛できるというわけではありません。今回使ってみて気になる点もいくつかありましたので下記にあげておきます。

  • 静電気による付着が気になる
    これは構成パーツがプラスチックで出来ているため避けられません。もちろんそれがすべての原因というわけではなく室内の湿度なども影響するのかもしれませんが、ミルした際に微細な粉末が本体のあちらこちらや周辺に付着して掃除が大変でした。これは使っているうちに落ち着くのでしょうか。
  • 分解した際の臼刃調整が難しい
    清掃のために分解した際、臼刃の調整目安がわかりにくかったです。相対的な調整位置はあるものの、初期値あるいは中央値がわからないので豆を挽いて微調整してセッティングしました。ここは合わせ基準がほしいですね。

総合評価

今までハンドミルで苦労していたので、こんなに楽ならもっと早く電動にすればよかったと思いました。本体については質感・外観・性能それぞれで満足できるものですし、その耐久性についてはこれからの様子を見ていくことになりますが、仮に摩耗や紛失などがあってもアフターパーツが豊富に出回っているので不便を強いられることはないでしょう。また、昨今の電動ミルについてはバッテリー駆動が流行っていますが、どこか知らないメーカーの製品を買って内蔵バッテリーのトラブル(発熱や発火など)も怖いですし、AC電源供給によるパワーは段違いなのでバッテリーレスで正解かと思っています。

この機種は致命的に残念なところは見当たりませんが、静電気について言及しないわけにはいきません。ここはもう一歩踏み込んで帯電防止素材で作ったモデルを用意していただけるとありがたいと思いました。

今回ご紹介の製品は下記からご購入いただけます。

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