Windows10の仮想化技術「Hyper-V」入門

Hyper-Vの基礎知識

Hyper-Vとはそもそも何なのでしょうか

「Hyper-V」とは、Microsoftが提供しているサーバー仮想化技術です。Hyper-Vを使えば、1台のコンピューターで複数台のコンピューター環境を仮想的に実現することができます。もっとわかりやすく言えば、Windows 10のデスクトップで「Windows 7」や「Linux」といった複数のOSを同時に実行することができる技術です。

例えば、古いWindows環境を仮想マシンで再現してアプリケーションのテストをする、複数台の物理的なサーバーを仮想マシンで再現して1台のコンピューターに集約するなど、さまざまな用途で使われます。企業の仮想化では、VMwareのWorkstationやvSphereシリーズが定番ですが、Hyper-Vも仮想化技術として導入されることが増えています。

本記事では、Hyper-Vの基礎知識や基本的な使い方をじっくり解説していきます。「Hyper-Vや仮想マシンという言葉は聞いたことがあるけど、実際は使ったこともないし何だかよくわからない……」という人は、目を通しておくことをオススメします。

Hyper-Vが利用できるWindows 10のエディション

Hyper-Vは、もともとWindows Serverだけで提供されていた機能です。Windows 8以降ではPro / Enterpriseなどの上位エディションにも標準搭載されるようになりました。Windows 10では、Pro / Enterprise / Education / Pro Educationに搭載されています(すべて64ビット版。Homeエディションには未搭載)。VMwareなどの仮想化ソフトウエアではライセンスを必要な数だけ購入する必要があります。しかし、Windowsの標準機能であるHyper-Vの場合、低コストですぐに仮想化環境を実現できます。これがHyper-Vの大きなメリットです。

サポートされているゲストOS

Hyper-Vで仮想化できるゲストOSは、Windows系(下記表参照)OSだけではありません。そのほかにもCentOS、Red Hat Enterprise Linux、Debian、SUSE Linux Enterprise Server、Oracle Linux、Ubuntu、FreeBSDにも対応しています。

Hyper-VでサポートされているゲストOS(Windows系)

Windows Windows Server
Windows 10 Windows Server 半期チャネル
Windows 8.1 Windows Server 2016
Windows 8 Windows Server 2012 R2
Windows 7 Service Pack 1 Windows Server 2012
Windows 7 Windows Server 2008 R2 Service Pack 1
Windows Vista Service Pack2 Windows Server 2008 Service Pack 2
Windows Home Server 2011
Windows Small Business Server 2011

※Windowsに搭載されたHyper-VとWindows Serverに搭載されたHyper-Vでは、一部動作や機能が異なります。詳しくはhttps://docs.microsoft.com/ja-jp/virtualization/hyper-v-on-windows/about/をチェックしてください。

記事:狩野 文孝

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