皆様、Clickshareという商品はご存知でしょうか。ベルギーのバルコ社が開発した商品で、日本でも数年前から注目され、導入が進んでいます。弊社もパートナーとして取り扱いしており、お客様から問い合わせ、また導入実績も多い、非常に注目度の高い商品です。
今回弊社でも、会議室を使いやすく便利にするため導入検討をしました。
お客様へのご提案となると、最新の機能を兼ね備えた、利便性の高い商品をご提案する一方、自社導入するとなると機能性はもちろん大事ですが、コストとのバランスで折衷案を検討しないといけないことが多々あります。
もちろん、注目のClickShareも検討しましたが、性能が素晴らしいだけあっていいお値段ですので、他商品も同時に検討しました。弊社の最終採用結果は残念ながら公表が出来ませんが、筆者が比較検討に参加して感じた各製品のメリットデメリット、価格などの総合評価をコラムにしてみました。
ClickShareとは
ベルギー発、バルコ社が開発した製品です。日本では、バルコ株式会社(東京都大田区)が販売をしています。筆者はClickShareを知るまで知りませんでしたが、メインビジネスは、ヘルスケアの業界へのディスプレイや画像処理関連製品の販売のようです。医用で使われている技術がバックボーンにあるのは、非常に心強いですね。(バルコ社ホームページ)
製品機能とオプションの組み合わせにより数パターンの商品ラインナップがありますが、今回デモ機としてお借りしたのは下記の製品です。
「ClickShare CS-100 Collaboration Suite」
定価:OPEN
型番:R9861510COL
→現在こちら販売終息となっております。後継は下記。
「ClickShare CSE-200 Collaboration Suite」
定価:OPEN
型番:R9861520COL
今回、単機能としての使い方ですので、CS-100での実施内容は問題なくCS-200でも実現できます。
Clickshareが会議効率化につながる理由
Clickshare(同等品含む)のコンセプトを私は以下と捉えています。
・USBの口一つで、画面共有での会議が始められる。
・面倒なケーブリングは一切不要。USBに挿してボタンを押すだけ。
・プレゼンターが変わる時も、アダプタをのボタンで切り替えるだけ。
要は、とにかく「シンプル」という事です。
USBがあればすぐに画面投影できるので、アダプタがないから画面に映せない!など、接続に手間取って会議スタートが遅れるなんてこともないですよね。その他、実際にバルコジャパン社に訪問し、技術者向け勉強会も受講してきましたが、ファームウェアの一斉アップデートや複数会議室への設置を想定した機能など、投影の便利さ以外にもIT部門にとっても便利な機能がたくさんあることが分かります。
社内IT側の仕事効率化は今回は置いといて、実際にユーザーが使いやすくなければ意味がないので、ユーザー目線に立った使い勝手を主軸に、商品の比較をしていきます。
比較商品の紹介
「Simple Cast」 (株式会社プリンストン)
定価:OPEN (メーカー実売予想税抜価格 64,630円)
型番:PTW-SPCAST
Click shareとの大きな違い:USBとHDMIの2つのインターフェースにて接続が必須
「InstaShow」 (ベンキュージャパン株式会社)
定価:OPEN
型番:WDC10
Click shareとの大きな違い:USBとHDMIの2つのインターフェースにて接続が必須(Simple Cast同様)
比較検討
他にも画面投影の商品はありますが、法人利用ですので、ある程度サポート体制があるメーカー商品をピックアップしております。
それぞれ同梱されているものは、下記の通りです。
注意点としては、プリンストンのSimple castは画面と本体を繋ぐHDMIケーブルが入っていません。別途購入する必要があります。ベンキューさんは色々な接続を想定したアダプタやケーブルが十二分に入っています。(これ使う!?と多すぎなくらい)欲を言うと、ベンキューさんはACアダプタ(写真の左奥)が高さがあり大きく、弊社では会議机中央の電源用蓋が閉まらず、アダプタが飛び出てしまいました。ClickShareは非常に同梱品もシンプルです。
接続性
ここが全てかと思いますが、それぞれ特徴があります。
Simple Cast/InstaShow
感想:PC側のインターフェースの場所によって、接続が大変。
やはり、USB1本でよいか、HDMIも接続しないといけないか、これは小さいようで非常に大きい違いだと感じました。PC側のHDMIとUSBが離れた場所にある場合、ケーブルを長いものに取り換える(Simple Castの場合)、無理やり接続(ベンキューの場合)しないといけません。変換アダプタを使う必要も一部出てきます。若干ですが、接続時手間取ります。弊社がデモしたベンキューのInstaShowはHDMIとUSBが同じ長さですが、最新版はUSBのケーブルが長く設計しなおされているようです。(お客様からリクエストを反映したのでしょうね。)
I/Fが少ない、もしくはないPCではこんな状況が起こってしまう事も
ClickShare
感想:USB一本で接続が簡単!
これは本当に画期的ですね。(ClickShareの特許だとか)ノートPCの薄型化でインターフェースが削減傾向にありますので、そこにも対応したUSB Type-C版も出ているようです。
画面反映
体感ベースですが、接続後はどれもあまり変わりません。プレゼンターを変える作業も全てクリック一つですし、この点はどれも非常に便利です。
プレゼンター変更時の動画
ただし、ClickShareは接続後画面投影前にexeファイルのDLが必要です。(数分ほど、ダウンロード完了に時間がかかる)ボタン接続後、少し経つとEドライブにフォルダが立ち上がるので、そこにあるexeファイルをダウンロードします。PCによっては少し時間がかかってしまいます。今後、最新のWindows Updateでプラグ&プレイでファイルがダウンロードされるようでして、このダウンロードの手間はなくなるようです。(2019年10月時点情報)
個別の便利な機能
スマートフォンの接続
Clickshareはモバイル端末も接続可能です。ClickShareがアクセスポイントの役割を持っていますので、ClickShareのWi-fiに繋ぐことで接続が可能です。またアプリをインストールでも投影できます。(ラインナップにより出来ないものもあるので、仕様の確認が必要です。)
無線のチャンネル設定
こちらもClickShareになりますが、同じフロアの複数会議室ClickShareを導入する場合、社内ネットワークの無線チャンネル、またClickShareのチャンネルが重なる、または干渉することにより、映像が切れたり、回線が遅くなってしまう可能性があります。ClickShareにはチャンネル設定の機能があるため、チャンネルを変更することにより、電波干渉を防ぎスムーズな画面投影が可能になります。
付属品:収納ケース
InstaShowとClickShareは専用のアダプタケースが商品に同梱されていますので、きれいな会議室を保つ、またケーブルをなくさない点で資産管理の担当者に喜ばれるかと思います。SimpleCastはケーブルの抜き差しができるので、自分が持っているケーブルを使い長さ調整が出来ることは大きなメリットである一方、抜き差しが多い分インターフェース部分の故障が少し心配に感じました。
価格帯
松:Clickshare
竹:InstaShow
梅:SimpleCast
ざっくり値ですが、Simple castの2倍がInstaShow、4倍がClickShareといった感じです。
総合評価
やはり、USB1つだけという操作性からみると、ClickShareが非常に使いやすいです。exeファイルのダウンロードに時間がかかる点はボトルネックにも感じましたが、今後のWindowsアップデートでなくなると思うと、使い勝手は断トツです。
但し、1つの会議室しか導入せず、PCからの画面投影しかしない、また社内のパソコンも、A4ノ―トパソコンや、モバイルパソコンでもレッツノートのようなインターフェースが豊富でHDMIとUSBでの接続の心配がない場合は、コスト含めて総合的にInstaShowやSimpleCastでも十分に機能するかと思います。InstaShowとSimpleCastは価格差がありますが、商品改良状況や収納ケース、ケーブル構成等を考えると、価格のギャップにも納得感があると感じています。
また、補足として、ClickShareは保証期間5年、InstaShow・SimpleCastは保証期間1年です。会議頻度が高い場合には、このあたりも考慮する必要がありそうです。
評価としては上記の通りですが、どれが一番というわけではなく、コスト、使い勝手、管理のしやすさなど、どこを主軸にするかによって選定する商品が変わってきそうです。
百聞は一見に如かず、という事で、下記フォームより3製品のデモ機手配が可能です。お気軽にご連絡・ご相談ください。