EDIX 東京 2024。教育のためのデバイスやシステムも多数出展

EDIXは教育分野における日本最大のエキシビションで、「教育の今を学べる、未来に気づける3日間」と銘打って学校・教育機関、企業の人事・研修部門などの教育に関わる方に向けた文教向けコンテンツ・PC・関連ハードウェアなどをコアとした展示会になります。


EDIX 東京。
会場は東京ビッグサイト、5月8日~10日の開催期間。筆者がお邪魔したのは 5月9日(木)です。出展者・来場者とも法人や教育機関の関係者ということでやや堅苦しいイメージを想定していたのですが、来場者も多く各ブースとも懇切丁寧に自社製品のセールスポイントを説明していました。


今回はそんな EDIX 東京 2024 出展ブースの中からいくつかをピックアップしてご紹介していきます。

Blue / ABcircle


株式会社ブルー のブースでは Chromebook や iPad、ノートPC などに対応する保護ケースを展示していました。ブルーのケースは耐衝撃かつ IP68 基準に適合した製品が多く、傷や破損を完全に防止するものではありませんが教育現場でありがちな「乱雑に扱う端末」にも対応しているのが特徴です。


ABcircle

せっかくなので Blue ブース内でコラボ展示してあった ABCircle 製品についてもご紹介します。

CIR415A 対応ケース





デモ機は Apple 製タブレット iPad(第9世代)と ABCircle CIR415A を組み合わせていました。CIR415A は 汎用のICカードリーダーですが、2024年4月以降、柔道整復師、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師(柔整・あはき)の施術所におけるオンライン資格確認の導入によって 事業者の端末+カードリーダーにてマイナンバーカードを読み取り保険資格の確認が必要になる ための機器として施術所での利用が注目されています。

利用するのはICセキュリティカード対応のシステムや管理アプリを想定しているため、それらのソフトウェアは業界で別途準備することになりますが、タブレット端末とカードリーダーを業務で運用するためのケースとしては最適な製品となります。

なお、ABCircle CIR415A ならびに ABcircle 製品は BizPARK にて取り扱い中です。

dynabook(Google for Education)



GIGAスクールで使用される端末で広く普及しているのは市場専門のリサーチ・コンサルティング企業 MM総研 の調査によると、2023年時点でのOSシェアは


・Google「ChromeOS」42%
・Microsoft「Windows OS」29%
・Apple「iPadOS」29%

とのこと。

教育関係のエキシビションなので、PCメーカーも多くの端末を展示していました。前述のとおりChromeOS(Chromebook)の出展が多かったように感じました。そんな中、ダイナブックからも Chromebook 製品が発表されていたのでご紹介します。(2024年12月発売予定)

Dynabook Chromebook C70


ざっくりと概要を見ていくと、この製品は 2in1(キーボードと表示部分が分離するデタッチャブルタイプ)の10.1型 Chromebook です。タブレットでは10インチ前後の端末は標準サイズと言っても良いかもしれません。小学生が使う端末としては大きすぎず、重さもキーボードを入れても 1kg程度なので負担にならない、それでいてバッテリー駆動時間が長いと GIGA スクールでの利用に照準を合わせた製品となっているようです。残念ながら展示されていたのはモックアップだったので実機の登場が待ち望まれますね。

メモリやストレージ、その他オプションの選択によって差異はありますが、公式発表による基本スペックは下記のとおりです。



製品名 Dynabook Chromebook C70
OS ChromeOS™
形状 2 in 1デタッチャブル(キーボードドック付属)
質量 キーボードドック接続時:約1.1kg以下(予定)
CPU Kompanio 520(8コア/MediaTek 2022年)
内蔵メモリ 4GB/8GB 選択可
内蔵ストレージ 32GB/64GB 選択可
ディスプレイ タッチパネル付き 10.1型 WXGA 広視野角 TFTカラーLED液晶 1,280×800ドット
Webカメラ フロントカメラ / リアカメラ
無線 IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax
LTE 選択可
主な同梱物 充電式タッチペン
バッテリー駆動時間 約12時間(予定)
主なインターフェース タブレット:USB3.2(Gen1)Type-Aコネクタ×1、USB3.2(Gen1)Type-C、コネクタ×2(PD対応)、マイク入力/ヘッドホン出力端子×1

REGZA


学校言えば教室、教室といえば黒板。公立の学校では昭和40年代50年代の頃は合板にペンキが主流でしたし、その後マグネットの利用できる鉄板タイプの黒板も登場しました。更に進化し、一部の学校や学習塾などではホワイトボードを利用することもありました。時代とともに変化してきた黒板です。他方、黒板の補助機器としては 模造紙による学習掲示からはじまり、 OHP装置、 プロジェクター、液晶ディスプレイなどへと進化していきました。

時は流れ……、デジタル全盛の令和の時代に登場したのが液晶ディスプレイを利用した電子黒板です。今回、液晶テレビでおなじみの REGZA で電子黒板の展示がありましたのでご紹介します。

TVS REGZA株式会社

電気屋さんで見かける REGZA のテレビを製造販売している会社で 2021年に 東芝映像ソリューション から社名を変更して TVS REGZA 株式会社 となりました。テレビだけでなくブルーレイレコーダーやビジネス用ディスプレイなどを手掛けているのであなたの会社やご家庭にも REGZA製品 があるかもしれませんね。

4K 電子黒板 TD-E757TS(75V型) / TD-E657TS(65V型)




Google EDLA認証を取得した国内メーカー REGZA の 4K 電子黒板になります。メイン黒板としての利用かどうかは現場に委ねられますが、65インチ級、75インチ級ともなると黒板の代用としても補助装置としても有効に活用できることは間違いありません。

スペックとしての見どころは

・Google EDLA 認証で Google Play が使える
・ADSパネルを採用しノングレアである点
・タッチパネル機能+ペンを利用できる

……等ですね。
大雑把な言い方をすれば あくまで筆者の感想 ですが 「巨大な Android タブレット」 のような使い方を想定(後述)してしまいました。



実はこの機種(65インチモデル)、筆者は過去に実機を触らせていただいたことがあるのですが、ほとんどの作業が手や指で操作可能なのでそのまんま Android タブレットライクな使い心地だったと記憶しています。外付けの WEBカメラを取り付けての会議も可能ですし、Chrome ブラウザを利用可能なので Google のサービスには親和性があります。導入へのハードルも、操作性で見ると Androidでわかりやすく、そして国内メーカー REGZA ということでサポートなどにも定評があり安心感も抜群です。

Google EDLA 認証で Android OS を搭載し Google Play が使える

忘れてはならない、言及すべきポイントの一つが Google EDLA 認証を取得している点です。PC を接続しなくても(もちろん接続して表示などはできますし、Windows を接続する場合はタッチパネル液晶としても利用可能です)本体に Android を搭載しているので Google Play から Android アプリをインストールことも、Google Meet や YouTube、Chromeブラウザも利用できます。
だって大きな Androidタブレット(筆者の個人的な印象) ですし……。

ADS パネル+ノングレア

さすがに長年にわたりテレビに携わってきたメーカーだけのことはあります。テレビで培った技術と経験が生きているのでしょう。教室などでの利用を想定してかノングレア(非光沢) を採用しているのもポイントが高いです。ノングレアなので蛍光灯の反射でギラギラして見にくいということもなく、ADSパネルは 水平178°、垂直178° の視野角があるので画面を前にしていれば角度的に見えないということはありません。

タッチパネル機能+ペン

タッチパネルは手や指による直接的な操作に対応していますし、指ではなんとなく書きにくいという方にも専用のペンが採用されているので違和感なく絵や文字を書くことが可能です。ペンが使えて手でも作業できる……。 やはり 65インチ/75インチの大きなタブレットを操作する(筆者の主観) と思っていただければわかりやすいかも知れません。

ハヤミ工産株式会社



ディスプレイスタンド・テレビスタンドでお馴染みの ハヤミ工産 ブースです。

ハヤミ工産ロゴ

ハヤミ工産株式会社

ハヤミ工産株式会社は滋賀県に本拠地のある企業で、今回ご紹介するAVファニチャーブランド「ハミレックス」を広く展開しています。




同社の主力製品でもあるディスプレイスタンドが展示されていました。最近のトレンドは垢抜けたオフィスが増えたこともあって木目調・家具調が人気なのだとか。たしかに最近のオフィスは、自然の風合いを生かした木材やレンガを多用し観葉植物が豊富でカフェと見まごうばかりの環境となっているところが増えているので、白や黒のいかにも工業製品然とした什器よりも木目調・家具調のデザインが受け入れられる要素はあるように感じますね。

そんな中、筆者が特に同社のブースで気になったの製品2点、PU-254B と HMS-LM1173 をご紹介します。

液晶ディスプレイスタンド PU-254B


PU-254B は 50インチまでの液晶ディスプレイに対応したディスプレイスタンドになりますが、大きな特徴として

・配線の収納に便利な背面ホルダー
・二重になった棚板
・棚板は汎用のデスクと同じ高さの 72cm/82cm で設定

……等が挙げられます。

背面ホルダー

大型のテレビや液晶ディスプレイを設置する際に悩みとなるのはその配線です。HDMI送受信機やロングケーブル、ストリーミングデバイス、各種ACアダプターなどの置き場に困っている方も多いでしょう。配線がゴチャゴチャしているとだらしない印象がありますし、移動させる際に足を引っ掛けたり断線させてしまったりと良いことはありません。この悩みの解消方法として同社が出した答えが背面ホルダーというわけです。筆者宅のテレビスタンド(他社製)には背面スタンドが付いておらず100円ショップのプラカゴをスタンドに固定しているのでこのアイデアは羨ましいとさえ思ってしまいます。

二重棚板

二重の棚板は便利以外の言葉が見つかりません。セットボックスやディスクプレイヤーなど普段から接続して置かなければならない機器を設置したままでもフラットな天板が利用可能なので、プレゼン用のノートPCやミーティングシステムなどスポット的に利用するデバイスを置くことも可能です。


棚板高 72cm/82cm 設定

同社は前述の二重棚板の高さについても配慮を怠ってはいません。高さは 72cm/82cm の2段階で、ディスプレイの高さを変えると棚板高が変化してしまうこともありません。例えば会議室のデスク・汎用作業台など一定の規格(地上高約70cm~72cm)で作られたデスクの天板とほぼフラットになるよう設計されています。それだけではなく、ハイタイプの作業台(地上高約80cm~82cm)にもフィットさせることも可能です。残念な点は無段階可変式ではない点でしょうか。おおよその高さでは問題がなくとも、組み合わせるデスクによっては微妙に合わないこともあるのでこの点だけは微調整ができればなお良いと感じました。

壁掛け金具 HMS-LM1173


HMS-LM1173 は 75インチクラスまでの液晶ディスプレイを壁掛け設置できる金具です。

この製品の何がすごいのか。一般家庭での壁掛け需要で活躍するのはもちろんですが、筆者が注目したのは大型サイネージでの活用です。大型ショッピングモール、空港、駅、イベント会場、各種ショールームなどで見かけるサイネージや案内表示はほとんどの場合が大型ディスプレイを複数枚用いたマルチディスプレイとなっています。

通常は壁付となるため、設置後のメンテナンスはたとえ1本のケーブルを交換するだけであっても手の入りにくい設置となり困難を極めますが、この HMS-LM1173 ならプッシュ式でディスプレイを手軽に引き出すことが出来るので配線やメンテナンスを楽に行うことができます。

特に大型サイネージで見られる 3×3 で 9枚仕様のサイネージでは中央列に位置するディスプレイのメンテナンスはそのサイズからも容易ではありません。設置の段階でこのプッシュ式金具を用いてあればちょっとした調整であれば専門の業者を呼んで大掛かりな作業を必要としないのでメンテナンスにかけるコストも削減できそうです。

プッシュでせり出してくるので配線など機器裏のメンテナンス性が向上

TP-Link


Wi-Fi ルーターやスマートホームでお馴染みの TP-Link、ブースは ICT機器エリアになります。


展示の主力は 最新規格 Wi-Fi7 関連製品です。最近普及してきた Wi-Fi6 や Wi-Fi6E を飛び越えて Wi-Fi7 を持ってくるあたりはさすがです。写真でもおわかりのとおり非常に混雑していたブースのひとつで、最新規格 Wi-Fi7 に期待を寄せる方が多かったのでしょうか。

Wi-Fi7 規格(IEEE 802.11be)は 同社がWEB上で公開している資料 によると最大速度 46Gbps。単純な速度で換算して Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)9.6Gbps の4.8倍、 Wi-Fi5(IEEE 802.11ac)の13倍もの超高速通信規格とのことです。筆者も未体験の領域なので今後の普及が楽しみな規格でもあります。

もちろん速度だけではなく、Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)の5倍のネットワーク容量(流れが良くなって混雑緩和)、4倍の低遅延を実現しているのでスムーズな通信が可能となり、大規模なトラフィックを必要とする GIGAスクール構想やビジネスシーンに最適な規格と言えるでしょう。



さて、そんな 同社の展示製品は

・EAP773 トライバンド WiFi7 アクセスポイント(推奨接続台数 90~100台)
・EAP650-Outdoor 屋外用 WiFi6 アクセスポイント(推奨接続台数 60~80台)
・EAP655-Wall 壁面取付型 WiFi6 アクセスポイント(推奨接続台数 40~60台)
・EAP615-WE コンセント埋込型 WiFi6 アクセスポイント(推奨接続台数 40~60台)
・有線LAN用 Omadaシリーズ

などがありました。

EDIX ということで接続台数の多い教育現場での利用を想定している製品が中心でしたが、文教市場だけでなく企業やイベント会場など接続台数が多い環境での利用もできるので、Wi-Fi機器の入れ替えを検討している担当者様におすすめの製品かと思います。

三谷商事 では TP-Link 製品のお取り扱いが可能なのでご興味がある方はぜひ下記よりご連絡ください。

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Soliton


お次は Soliton ブースへお邪魔しました。

会社ロゴ

株式会社ソリトンシステムズ

株式会社ソリトンシステムズ1979年に設立された企業で、ITセキュリティ事業を主軸としており、映像コミュニケーション事業、Eco 新規事業開発なども手掛けています。

このブースでは教育現場における管理やセキュリティに関する項目を展示していました。

GIGA スクールソリューション


GIGA スクールソリューションでは学校から貸与される端末で Webフィルタリング サービスを提供しています。学校から宿題のために自宅に持ち帰った端末でゲームや SNS、動画視聴ばかりをしてしまうといったことも DNS Guard for Education であれば防げるとのこと。自室から出てこない(机に向かっている)ので勉強していると思いきや……。そんな家庭も多いのではないでしょうか。個人的にも子供を持つ親としては学校で即断即決で採用して欲しいサービスの一つです。

Chromebook ソリューション


Chromebookソリューション のコーナーに展示されていた認証セキュリティに関するものになりますが、筆者の目を引いたものご紹介します。文教向けのエキシビションなので教育現場向けの説明でしたが、その中身は一般企業でも利用できそうな強固な認証システムです。

クラウド認証基盤

OneGate では従来のID・パスワードによる認証より強力な「デジタル証明書」を必要とするID認証に対応しています。事前に準備した認証用デジタル証明書による多要素認証で不正アクセスから守る ID認証サービスです。

例えば従来のID・パスワードによる認証に起因する問題点

・社員が簡単なパスワードを使い回しているかもしれない
・クラウドサービスやリモートアクセスへの不正侵入の対策をしたい
・社員が私物デバイスを業務利用していないか心配

などがありますが、OneGate では、ID・パスワードだけでなくデジタル証明書による多要素認証が可能となるため未登録の不明端末による不正アクセスやなりすましのリスクを減らせます。さらに、OneGate はリスクベース認証にも対応しているので信頼できないネットワークからのアクセスを検知した際は追加認証を要求しログインへの安先生を向上しています。

端末ログイン認証

ログインについても厳重厳格に管理されており、端末ログイン認証では「顔認証」「ICカード認証」「指紋静脈認証」のいずれかを経てパスワード入力によりログイン可能となる SmartON ID があります。この SmartON ID の優れた点としてはやはり なりすまし排除 でしょう。パスワードが漏洩したとしても前段階で生体認証など本人に紐づいた認証が必須となっているため、不正ログインのリスクを限りなく減らすことに繋がっています。また、この SmartON ID では離席時に端末を自動ロックしたり、シングルサインオン機能も利用可能となります。

上記2点は 人に紐づく か 端末に紐づく かの違いはありますが、強固な認証システムであることは間違いありません。平成中期くらいまではパスワード入力が面倒で簡単なものに設定しているとか、ディスプレイ横にログイン情報を書いた付箋を貼って情報漏洩させてしまったような話をよく耳にしたものです。さすがに現代ではそんな方はいないと思いますが、これまでのような IDとパスワードだけでは厳しかった第三者のなりすましログインや不正アクセスを防いでくれるシステムなので広く普及して欲しいですね。

このソリューションにご興味がある方は 同社WEBサイト をチェックしてみてください。

IRIS CHITOSE


会社ロゴ

アイリス チトセ株式会社

IRIS CHITOSE(アイリス チトセ)。おそらくテレビCMなどでお馴染みの「アイリスオーヤマ」なら聞いたことがあるでしょう。この会社はそのアイリスオーヤマのグループ企業でオフィス用家具、福祉用家具、教育施設用家具、ホテル用家具等の製造・販売を手掛けています。


IRIS CHITOSE ブースでは プロジェクターや大型液晶ディスプレイなどの映像関連を展示していました。ブーススタッフさんのイチオシ製品として案内していただいたのが 教育施設向け電子黒板 IB-65UHD02B です。展示製品は65インチモデルでしたが、この製品については65インチモデルの他に同性能の 75インチモデル IB-75UHD02B もあります。

教育施設向け電子黒板 IB-65UHD02B


この製品のおすすめポイントとしては 4K解像度液晶、4Kカメラ内蔵、USB-C(PD対応)入力、タッチパネル、9画面同時表示、表面強度 7H 強化ガラス採用などで、Google EDLA 認証も取得済なので Google Play から様々なアプリをダウンロード可能となっています。

もちろん教育現場だけでなくオフィス、会議室、一般 逸般の誤家庭 などでも活用できる製品です。三谷商事でもお取り扱い可能な製品なのでご興味があれば下部のお問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

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