進化したiPad、第9世代 iPadはどう変わったのか。

高性能に進化した iPad 2021

2021年9月15日、Apple 社の iPad シリーズが刷新されました。iPad mini は iPad Pro や iPad Air のようなベゼルレスへと進化し、ノーマルの iPad(第9世代)は外観こそ変化ないもののその中身を大きく進化させて登場しています。

10月に入りようやく緊急事態宣言が解除されましたが、社会は引き続きテレワークやリモート学習などを継続しています。こうした中でビジネス用途だけではなく映画や音楽のサブスク、あるいはゲーム端末の需要が増加しているため登場を待っていた方も多いのではないでしょうか。

さて、読者諸氏の中には既に従来の iPadを所持されている方も居ると思いますが、旧モデル(iPad 第8世代)と比べ何が刷新されたのかをスペック表で見ていくことにしましょう。

iPad 2021 / iPad 2020 新旧仕様比較

 

旧モデルとの変更点は赤で表記

製品名 iPad (2021) iPad (2020)
発売日 2021年09月 2020年09月
SIM 【Cellular モデルのみ】nanoSIM、eSIM
標準価格 【Wi-Fiモデル】
64GB:39,800円、256GB:57,800円
【Cellular モデル】
64GB:57,800円、256GB:74,800円
【Wi-Fiモデル】
32GB:34,800円、128GB:44,800円
【Cellular モデル】
32GB:49,800円、128GB:59,800円
容量 64GB、256GB 32GB、128GB
搭載OS iPadOS 15 iPadOS 14
(iPadOS 15 へアップデート対応)
CPU A13 Bionic A12 Bionic
パネル 10.2インチ、2160x1620px、比率4:3、264ppi Retinaディスプレイ、IPSテクノロジー搭載 LEDバックライト Multi-Touch、耐指紋性撥油コーティング、True Toneディスプレイ、500ニトの輝度 10.2インチ、2160x1620px、比率4:3、264ppi Retinaディスプレイ、IPSテクノロジー搭載 LEDバックライト Multi-Touch、耐指紋性撥油コーティング、500ニトの輝度
センサー Touch ID、3軸ジャイロ、加速度センサー、気圧計、環境光センサー
Wi-Fi IEEE 802.11 a/b/g/n/ac
対応バンド 【Cellular モデルのみ】
1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 11 / 12 / 13 / 14 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21/ 25 / 26 / 29 / 30 / 34 / 38 / 39 / 40 / 41 / 66 / 71
GPS 【Cellular モデルのみ】内蔵GPS/GNSS
位置情報 デジタルコンパス、Wi-Fi、iBeaconマイクロロケーション
Bluetooth 4.2
背面カメラ 800万画素 裏面照射型 F2.4、5枚構成
背面カメラ機能 ハイブリッド赤外線フィルタ、露出コントロール、バーストモード、タイマーモード、自動手ぶれ補正、Live Photos、パノラマ(最大43MP)、写真のHDR、人体検出と顔検出、ジオタグ添付
背面カメラ動画 フルHD(1080p) 30fps、スローモーション: 120fps(720p)
背面カメラ動画機能 手ぶれ補正を使ったタイムラプスビデオ、手ぶれ補正、3倍ビデオズーム、人体検出と顔検出、ジオタグ添付
正面/インカメラ 超広角カメラ、1200万画素 F2.4 FaceTime HDカメラ、120万画素 F2.4
正面カメラ機能 Retina Flash、バーストモード、露出コントロール、タイマーモード
正面カメラ動画 HD(720p)
バッテリー容量 32.4Wh
Apple Pencil 第1世代に対応(別売)
キーボード Smart Keyboard、Bluetoothキーボード(別売)
動作時環境 動作時環境温度: 0~35°C、保管時(非動作時)温度: -20~45°C、相対湿度: 5~95%(結露しないこと)、動作高度: 3,048mまでテスト済み
オーディオ ステレオスピーカー、デュアルマイクロフォン
コネクタ Lightning、Smart Connector、3.5mm ヘッドホンジャック
同梱物 本体、Lightning – USB-Cケーブル、USB-C電源アダプタ
カラー シルバー、スペースグレイ シルバー、ゴールド、スペースグレイ
サイズ 幅:174.1mm / 高さ:250.6mm / 厚さ:7.5mm(フラットに近いカメラ部除く)
質量/重さ Wi-Fi: 487g、Wi-Fi+Cellular: 498g Wi-Fi: 490g、Wi-Fi+Cellular: 495g

※ 詳細な仕様は メーカーサイトでご確認ください。

全体性能約20%向上、ストレージ2倍、フロントカメラは10倍の性能へ

こうして見ていくと見た目は同じで変化が無いようでありながら中身は大きく進化していることがわかります。SoC(CPU)はiPhone11シリーズで採用されている A13 Bionic へ(従来比20%向上)、ディスプレイはTrueToneディスプレイに進化、ストレージ容量は倍化し、テレワーク時代を反映してかWEB会議用にフロント(画面)側カメラの性能が10倍と大幅に上昇しており全体的なスペックの底上げが施されています。これに最新の iPadOS 15 を組み合わせることによって iPadの持てるポテンシャルを発揮することでしょう。

また、このiPadは前モデル同様にお財布に優しい低価格路線を採用しています。昨今の社会情勢を反映してか若干価格が上昇したものの、Proシリーズのように「欲しくても価格で迷う」ではなく「欲しかったら買える」お手頃な一台となっています。特に2017年モデル以前のiPadを利用している方はSoC(CPU)が大幅に強化され、ApplePencil(第1世代)対応というのも検討材料の一つになるので買い替えを視野に入れる頃合いかもしれませんね。

評価できる点

評価ポイントは複数あるのですが、大きな点ではSoC(CPU)の強化に注目ですね。iPhone11シリーズに搭載しているSoCと同型ですからスペックに不足を感じることはないでしょう。

また旧来品と比較してストレージ容量が64GB/256GBと倍増した点も評価できるのではないでしょうか。昨今のアプリケーションやメディアファイル群は本体性能上昇に比例するかのように容量が肥大化しており、数年前とは違い最低32GBでも十分とは言い切れませんから。

そしてフロントカメラの性能向上も見逃せません。テレワーク会議での粗い映像がより鮮明になって相手に与える印象も良いものに。但し、鮮明に表示されるようになったので部屋をキレイにしておかないとデメリットになってしまうかもしれませんが……。

みなさんが懸念しているであろうベゼルの広さについてですが、手持ちで利用する場合に Pro や Air のようにベゼルが狭いと画面に触れてしまうため、敢えて「持つ場所」としてのベゼルと考えれば決してマイナスとも言い切れません。このためここでは評価できる点に混ぜておきます。

残念な点

最大のマイナスポイントは lightning が廃止されていない点ではないでしょうか。純正の lightning ケーブルは強度的に弱いのは iPhone/iPad ユーザーならご承知のとおりですし、最近のPC(macを含め)はUSB-Cが主流になりつつあります。会社支給の Androidスマホ、USB-C対応の最新ノートパソコン、周辺機器を USB-C のような構成で利用しているユーザーでは 充電のためだけに 独自規格の lightning ケーブルを持ち歩き、あるいは切り替えするのは面倒で煩わしさがあります。特に今回は iPad mini が USB-C に置き換わったので追従しなかった点が非常に残念でなりません。

第9世代 iPadはどんな人に向いているのか

iPadシリーズはiPad Pro、iPad Air、iPad mini、iPad(第9世代)とラインナップが豊富です。どの機種にしても OS自体は同じ(個々のアップグレード状況次第ですが)なので操作に迷うことはありません。 iPad(第9世代)はどんな人に向いているのでしょうか。

こんな人におすすめ(筆者主観)

  • 【ビジネス】一般販売管理(対面での商談)、ZOOM等のオンライン会議
  • 【ビジネス】倉庫などでの在庫管理、入出荷管理
  • 【ホームユース】ホームエンターテイメント
  • 【ホームユース】子供の学習用途

もちろん上記によらずエンドユーザーの状況に応じて機種をチョイスしていくのが理想ですが、iPadでどれを購入していいのか迷ったら価格面、性能面含め iPad(第9世代)は最適な一台でしょう。

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