テレワークで深刻な健康被害も?
今、テレワークを実施している方の健康トラブルが問題になっています。コロナ禍でテレワークが一般的になっている中、本ページの読者諸氏も長時間の着席作業による腰痛、眼の疲れ、肩こりなどに悩まされていませんか。
夫婦共働きの場合、別々の勤務先であっても夫婦ともにテレワークというのも珍しくありません。夫または妻が同室でテレワークするのは不定期な会議・打ち合わせなど気まずい雰囲気にもなりますし、それ以外にも守秘義務を課せられた作業も多いので同室での作業はたとえ夫婦といえども難易度が高いのです。別の部屋で作業すれば良いと思うかもしれませんが、居住面積の狭い都市部では自室を持つのも一苦労で夫婦どちらかがリビングやダイニングの一角を専有、他方が寝室や書斎で作業することも珍しくありません。
オフィスではデスクワークのために設計されたデスク&チェアを利用するので長時間の作業に向いていますが、一般家庭ではPCゲーマーやeSports選手の家庭でもない限り専用設計のデスクなどありませんし、家庭にある汎用デスク/ダイニングテーブル&チェアは長時間のパソコン作業に特化した作りにはなっていません。これでは家庭で無理な姿勢で作業することになってしまいますし、体のトラブルを引き起こすのは時間の問題です。そして何より作業効率は上がりません。
そんな環境を改善するためにはどうしたら良いのか。
選択肢として挙げられるのは「昇降デスク」の利用でしょう。
とは言え、昇降デスクは設置サイズの大きいもの(一般的なもので 幅:1200mm~1800mm × 奥行:600mm~750mm)が多く電動ともなると自重が 50kg~70kg にもなり、既存のデスクと入れ替えを必要とする(部屋が余っている豪邸を除く)ので気軽に設置できるものではありません。
サンワサプライ リフトアップデスク MR-ERGST2BK
今回、そんなお悩みをピンポイントに改善できる卓上昇降デスクをサンワサプライ様よりご提供いただきましたのでレビューしていくことにします。
サンワサプライ エルゴノミクスリフトアップデスク
MR-ERGST2BK
製品特徴(メーカー公式WEBサイトより)
このサンワサプライ エルゴノミクスリフトアップデスク MR-ERGST2BKは座り作業、立ち作業の切り替えを簡単に行い、疲労を軽減するリフトアップデスクです。
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- デスクに置くだけで、上下昇降機能を追加することができます。
- 任意の位置で高さ調節可能です。
- 天板サイドにあるレバーを同時に引くことで高さを調節することができます。
- ガスシリンダーが内蔵されており、天板上に機器が載っていても急激に落下しません。
- 1日の中で立ち作業、座り作業の時間を作ることで疲労を軽減できます。
- 座り作業の際にはキーボード台は天板の高さまで下がります。
- 天板前部にはスマートフォンやタブレットを立て掛けることができるスリットがあります。
- キーボード台は折りたたみ可能。角度も0度と8度で変えることができます。
上記のメーカー公式ページにあるとおり、サンワサプライ エルゴノミクスリフトアップデスク MR-ERGST2BK(以下「本製品」と表記)はデスクやテーブルの上に置くデスクで、テレワーク下でも自由なスタイルで作業ができるよう設計された製品です。
見た目は脚の高さがないだけでテーブルそのものでサイズは図のとおりです。
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とにかく使ってみよう
実機開封レビュー
開梱と設置
まず、第一印象は「大きい」です。サイズも去ることながら梱包重量24kg程あるので宅配業者さんから受領後は移動も一苦労。梱包は製品保護に十分配慮されており、一般的なテーブルなどでありがちな簡易包装ではなく厚手の発泡スチロール緩衝材が使用されています。
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天板のサイズはW680mm × D520mm と大きめです。これは液晶ディスプレイを乗せることを想定しているためですが、やや奥行き広すぎる印象があります。液晶ディスプレイ設置+キーボード・マウスのスペース確保を想定したものと思いますが、そうすると別付けのサブテーブル(本来のキーボード・マウスのスペース)は不要なのでは?といった印象です。
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サブテーブル(キーボード・マウスの設置場所)の組み立ての様子です。サブ天板とサブフレームをネジ6本で強力に固定するので強度的には問題ありません。
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サブテーブル(キーボード・マウスの設置場所)を製品本体に装着しますが、レバーロックになっているので簡単に脱着可能です。余程の重量を掛けない限りは脱落の心配はなさそうですが、折りたたんでの利用はメイン天板の高さよりも上にはみ出してしまうので利用しないなら面倒でも外しておくと良いかもしれません。
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製品は天板の高さまで165mmあります。このためデスク(一般的に約700mmです)の上に設置した場合は700mm+165mm でミニマムでも高さ865mmのデスクになってしまいます。着席しての作業は椅子の高さを調整しなければならない点に注意が必要です。
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使用感
設置に要した時間はわずか10分程度(外装箱の撤去や周辺の清掃、機器設置を除く)です。
ノートパソコンを外部液晶ディスプレイで利用した例(写真は22インチ液晶ディスプレイ、12インチレッツノートCF-SV7、無線フルサイズキーボード、無線マウスの組み合わせ)。2画面での作業では製品に窮屈な印象を受けるため液晶ディスプレイはディスプレイアームの利用がおすすめです。
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既存のデスクに設置してあった ガススプリング式ディスプレイアーム(同社製 CR-LA1301 N 詳しくはこちらの記事) を最大まで上昇させて製品と組み合わせ利用した例です。※サブテーブルは外してあります。
この場合のメリットとしてはテーブルに依存しないで高さ調整可能なディスプレイが利用できることです。遮るものがなにもないためスッキリとした印象で筆者的にはサイズもベストポジションでしたが、背の大きい方やもう少し画面の位置(視線位置)を高くしたい場合はこれ以上アームの高さ調整に対応できないので製品本体へのアーム設置を推奨します。
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大阪出身 身長173cmの男性が使用している様子。簡単に高さを調整できるのでお好みの高さで利用可能です。画像ではノートパソコンに無線キーボードとマウスを利用しています。
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スマホやタブレットなどを立てておけるホルダーが付いているので、タブレットなどでデジタル資料を見ながらオンライン会議することも可能ではないでしょうか。スリット付きなので充電しながらでも立てておくことができます。
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耐荷重
製品の脚部はしっかりしており重量もあります。この重量級脚部おかげで天板のグラつきもなく、アームその他の設置など最大17kgの荷重に対応しています。
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総評・所感
筆者は週の半分をテレワークにしているので家で長時間座っている状態が続いています。定期的にストレッチなどをしているのですが目線の高さを変えて作業したいと思うことも多々ありどうしようかと思っていたところです。今回サンワサプライ様のご提供で製品評価させていただき数日使ってみた感想ですが、長時間同じ体勢にならなくて済むので体がバキバキになることもありませんでした。今回はオフィスでの実証でしたが自宅でのテレワークでは控えめに言っても相性は抜群でしょう。もちろん使用開始するまでの設置などで多少面倒かと感じるかもしれませんが……。
ここが便利、ここが惜しい(メリット・デメリット)
最後に製品についての良い点や改善点をまとめてみました。あくまで個人的主観に基づいて記載していますのでご利用中の方やメーカー様の製品に対する趣旨意見を否定するものではありませんので予めご理解ください。
良い点
既存デスクを昇降にできる
デスクオンデスクなので簡単に既存のデスクを昇降テーブルにすることができます。これなら作業環境が変化し不要になったとしても取り外すだけで元通りに。
安定度抜群、強度に不満なし
台座部分の重量があるのでいわゆる「頭でっかち不安定」な状態にはなりません。製品はグラつきもなく安定性があります。男性であれば一人での設置も問題ないですが、それなりに重量があるので女性はひとりでの設置は避け周囲の手を借りる必要があるかもしれません。
サブテーブルが取り外しできる
ノートPCの方は外付けキーボードを利用しない限りキーボードテーブルは不要です。このことを考慮してレバーひとつ(左右なので2つ?)でサブテーブル(キーボードテーブル)の取り外しが可能です。さて、何処に仕舞おうか……
ガススプリングで簡単に高さ調整可能
昇降デスクと言えば一般的に電動が主流ですが、モーター式にすると重量がとんでもないことになります。安価な手回し式テーブルや段階ピン差し替え式デスクの場合は高さ調整の度に苦労することになります。本製品ではもう一つの選択肢でガススプリングを採用したことは非常に評価できるポイントです。このおかげで軽い力で簡単に高さ調整可能ですし、なにより電源不要、メンテナンス不要なのがいいですね。
気になる点
設置場所は前後に十分な余裕が必要
天板奥行き520mm(キーボードテーブル含まず)で天板を下げた状態からリフトさせる際に天板が後方へ移動しながら上昇するため設置の際に天板を壁にピッタリつけてしまうとリフトアップできなくなります。高さにもよりますが設置場所後方に10cm程度の余裕は必要です。
タブレット・スマホホルダーの角度調整ができない
スマートフォンやタブレットを設置する目的で空いているスリットですが、角度調整が一切できないばかりか直角に近い角度(写真参照)のため使い所の難しいものとなっています。但し、このホルダーにはスマホ・タブレットを設置した状態でもケーブル接続(充電やデータ転送)できるスリットが空いているのは評価できるポイントです。
サブテーブル(キーボードテーブル)の収納
サブテーブル(キーボードテーブル)を利用しない場合は「外す」という選択肢があるものの、折りたたむと天板の高さより高くなってしまう。構造バランス的に引き出し式にできないのはわかるのですが、邪魔に思う方も多いのではないでしょうか。
テーブルの高さ+16.5cm
一般的なデスクやテーブルは高さ700mm前後です。本製品は一番下まで下げた状態で高さが165mmあるので、座って作業する場合は高さ865mmのデスクを利用していることになり既存のチェアの高さを調整することになります。
欲しい機能
USB/ACのサービスコンセントがあれば
スマホ・タブレットやカメラの充電、夏場の小型扇風機、冬場のパーソナル加湿器など用途は様々ですがパソコンまわりで一番便利なアイテムはUSBコンセントではないでしょうか。本製品はテーブルなので設置後はほとんど移動を要しないので直挿しできるUSBやAC100Vのサービスコンセントが1~2でもあると便利だと思いました。
witten by Gene Taylor ©2020