今年も世界最大規模のゲーム見本市「東京ゲームショウ2023」が2023年9月21日から9月24日にかけて開催されました。昨年のゲームショウ2022ではコロナ禍明けで3年ぶりのリアル開催で大盛りあがりでしたが、今年も昨年同様にリアル開催ということで出展企業も昨年同様に非常に多いようです。会場は例年どおり幕張メッセで、筆者がお邪魔したのが22日(金)のビジネスデイです。翌日以降の一般ユーザー向けの日程とは違うものの、来場者も多く各ブースとも華やかさがあり盛り上がっていました。翌日以降の2日間はこの日よりも多くの来場者を見込んでいるとのことでした。
さて、最新のハードウェアやゲームソフトウェアに関しては多くの方が様々なメディアでレビューをされているはずなのでここでは割愛させていただき、ビジネスデイらしく商売っ気を出して?筆者の個人的な興味のある各種デバイスやゲームライフスタイル(ゲーミング環境製品)を中心に出展企業のブースにお邪魔していろいろと見て回ることにします。
JOW GAME基地(ワールド化成)
まずは以前本誌でもご紹介した ワールド化成 株式会社 の JOW GAME基地 のブースへお邪魔しました。
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このGAME基地シリーズは e-Sports プロチーム DetonatioN FocusMe 監修のもと、同社より ブランド名「JOW」として 2022年12月 に登場しました。
今回のTGS出展では GAME基地シリーズの最新作「GAME基地 -mini-」が登場しています。(2023年11月発売予定)
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GAME基地 mini 全景
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GAME基地 mini 室内
2023年11月発売を予定している GAME基地 mini。従来のモデルと比較して非常にコンパクトで狭いですが窮屈な感じはせず、良い意味で狭い空間を活かしブラックの内装と相まって没入感を高めてくれるように感じました。他のレビュアー諸氏も言及していますが、TGS2023の会場が暑かったこともあり室内にゲーミングPCを置いている関係で排気ファンが稼働しているものの室内気温はやや高めでした。とは言え自宅設置の場合は扇風機やスポットエアコン持ち込みなどで快適空間を作れるのであくまでも「展示環境下」では暑かったとしてご理解ください。
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JOW GAME基地(発売中のモデル)
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GAME基地(発売中)の室内の様子
以前ご紹介した GAME基地 は 幅1,523mm×奥行2,000mm×高さ1,800mm とやや大型のため都心部では設置に試行錯誤することになっていましたが、今回登場した「GAME基地 -mini-」は
幅1,800mm×奥行900mm×高さ1,800mm と非常にコンパクト。室内は約1畳で従来のGAME基地の防音性や没入感などはそのままに消費者のニーズに即しサイズダウンされた製品となっています。
まだ発売前ということで価格や詳細性能については公式サイトでの公開待ちということになりますが、これまでサイズで諦めていた都心部マンション住まいのPCゲーマーにとって朗報であることは間違いありません。その他、展示こそありませんでしたが「GAME基地 -Lite-」(1200mm以下のゲーミングデスク設置可能な約1.6畳タイプ)も登場とのアナウンスもあったのでサイズで導入を躊躇うことはなさそうです。右に床面設置サイズの比較を載せておきますので検討の際の参考にしてください。
GAME基地の設置サイズ比較
クリックで拡大
MSI
次にご紹介するのは 老舗PCパーツメーカーの MSI さんです。以前本誌にて 軽量ビジネスノート をご紹介したことがあるので記憶に残っている方もいるのではないでしょうか。
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MSIノートイメージキャラクター
オフィシャルVTuber 美星メイ
MSI社は1986年に台湾で設立されたコンピュータ部品の会社で PCのパーツメーカーとしては世界4大メーカー( ASUS / MSI / GIGABYTE / ASRock )に数えられ、マザーボードやグラフィックカードなどの主要パーツ、電源ユニット、冷却装置、PCケースなどの周辺パーツや液晶ディスプレイなどの周辺機器に至るまで発売しており、PCメーカーや BTOメーカーへのパーツ供給、PCパーツショップ経由での一般販売で自作 PCユーザーにはとても馴染み深いメーカーとなっています。近年はノートPC本体なども手掛けており、ビジネスノートだけでなくゲーミングノートにも注力し、最新CPU/GPUを搭載した人気のモデルを多数ラインナップしています。
MSIといえばゲーミングPC市場を牽引し eSports業界でも信頼されているメーカーとして有名です。TGS2023ではゲーミングノートやグラフィックカード、ゲーミングチェア、同社製ゲーミングデスクトップ(完成品)などゲームショーの名に相応しい「ゲーム」に関連したアイテムが数多く展示されていました。取材日の翌日からの一般公開日にはブース内のステージで様々な催し物を開催するとのことで多くの来場者が詰めかけることでしょう。筆者が個人的に気になるのは自作界のレジェンド Youtuberでオーバークロッカー清水さんの液体窒素 OCチャレンジですが、一般公開日のみ開催とのことで残念ながらお預けとなりました。その他、eSportsプロチームによる Apex Legends の生プレイもあるようでこちらもFPSゲーマーとしては見逃せません。スケジュールを見るにMSIブースだけでも一日中飽きずに居られそうです。来年こそは一般開催日に来場したいと思いました。
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MSI 出展ブース全景
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MSI公式マスコット ラッキー君がお出迎え。
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Intel 13世代 CPU と nVidia RTX4000 番台を搭載した
最新の MSI ゲーミングデスクトップ
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最新ゲーミングPCの内部は
LEDにより美しくライティングされている
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美星メイに扮したレイヤーの緩苺さん(中央)
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一般公開日にはこのステージでイベントを開催
ステージ上では同社ノートイメージキャラクター オフィシャルVTuber「美星メイ」に扮したレイヤーが華を添えていました。VTuber「美星メイ」については YoutTube でチェック!
AverMedia
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東京ゲームショー。つまりゲームがメインの祭典です。ゲームを盛り上げる要素として重要な配信。配信を始めようとするユーザーが最初に手に取る周辺機器がキャプチャーボードです。そしてこのキャプチャーボードやWEBカメラ、配信マイクなどを手掛ける AverMedia を忘れてはいけません。
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ライブストリーミングデモ環境。マイク、WEBカメラ、コントロールセンターなど同社製の製品群で揃えると機器同士の親和性が向上し配信をより簡単に、より美しい映像を提供する。また、同ブース内には最新の配信用周辺機器も展示されている。
東プレ(REALFORCE)
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パソコンを使う上で欠かせないものがキーボードです。皆さんの中には「キーボードなんてどれも同じ」と思ってる方もいることでしょう。ですが、筆者は一度でいいから「いいキーボードを使ってほしい」そんな風に思っています。今回お邪魔したのはそんな「いいキーボード」の最高峰 REALFORCE の展示ブースになります。
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東プレ あるいは REALFORCE をご存知ない方に少しだけ説明すると 東プレ の REALFORCE は静電容量無接点方式を採用したキーボードで「主にプログラマーや文字入力をメインにしている方に大人気なキーボードブランド」になります。静電容量無接点方式って何?という方のためにキーボードの違いについて下記にまとめておきますのでご一読ください。
メンブレンキーボード
一般的なデスクトップに付属しているキーボードはメンブレン方式で、入力にはキーをしっかりと押す必要があり、使い続けると劣化が早く押しても反応しなくなったりするという特徴があります。その反面、価格で見ると非常に安価なので大抵の電気屋さんやPCショップ、量販店などで入手が可能となっているキーボードです。
パンタグラフキーボード
主にノートパソコンに備え付けのキーボードを指します。前述のメンブレンキーボードよりも薄くどちらかと言うとふにゃ感があるため長時間の入力には不向きなタイプのキーボードとなります。ノートパソコンを利用している方で外付けキーボードを利用している方が多いのは柔らかすぎるタッチ感が苦手という理由のようです。
メカニカルキーボード
このメカニカル方式キーボードは高価なため利用している方の多くが入力にこだわりのある方でしょう。メカニカルキーボードはキースイッチがそれぞれ独立しており、キーの押し心地によってキースイッチを変更することも可能です。一つ一つのキーが独立しているため耐久性に優れているのも特徴です。カチカチとクリック感のあるものから静音でキータッチが軽いものなど様々なタイプのキーが存在しており現在のゲーミングキーボードの主流となっています。
静電容量無接点方式キーボード
静電容量無接点方式はメカニカルキーボード同様にキーそれぞれが独立した構造となっていますが、静電容量無接点方式はメカニカル方式とは違いキーを押し込んだ際の静電気の変化を感知して入力し、とても滑らかで軽い操作性と静かなタイプ音が特徴です。また、安価なキーボードにありがちなチャタリング(1回の入力のはずなのに2回入力されているなど)が起こらない等のメリットもあります。静電容量無接点方式と言えば「東プレ」ですね。
今回は TGS2023レビューということで REALFORCE ゲーミングキーボードも展示していましたが、ゲーミング用途だけではなく入力作業の多い方、バグを減らしたいプログラマーの方、そして一般ユーザーの方、一生物のキーボードについて多くの方にご興味を持っていただけると幸いです。
コルセア(CORSAIR)
自作PC関連パーツの代表的メーカーとも言えるコルセアです。ゲーミングPCを自作する際、マザーボード+CPU、グラフィックカード、液晶ディスプレイを決めたらそれ以外のパーツや周辺機器を全てコルセア製品で揃えられるほど充実したラインナップを誇るメーカーです。
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Corsair 出展ブース コンパニオン
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Corsair製パーツを使ったゲーミングPC
ゲーミングPCの最大の特徴といえばド派手なネオンに大型のファンやクーラー、ガラス筐体のケースなどが主流ですが見た目を美しく仕上げるにはその陰で涙ぐましい配線処理が行われているのをご存知でしょうか。例えばケースファン一つとってもLEDのためのARGB配線(IN)と(OUT)、電源供給のための配線があります。簡易水冷に至っては水マクラ電源、温度管理、ARGB制御ケーブルなど。実は裏配線がごちゃごちゃといったユーザーは多いはずです。もちろん筆者のPCも例に漏れず酷い有様です。今回はそんな状況から開放されるユニット「iCUE LINK」を展示していたのでご紹介します。
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Corsair ゲーミングヘッドセット
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Corsair ゲーミングマウス
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iCUE LINK で組まれたゲーミングPC
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iCUE LINK で組まれたゲーミングPC 内部
この iCUE LINK は同社製のケースファンや簡易水冷ユニットなどを1つのコネクタですべてを制御可能となり、複数のケーブルやコネクタを管理するフラストレーションがなくなります。iCUE LINK でデイジーチェーン接続しコンポーネントを統一するので、自分の好きなように接続したり、配線を楽に取り回せるのようになります。
>> iCUE LINK (Corsair) 公式サイトはこちら
dynabook
ノートPCのブランドとして有名なダイナブック。intelブースに dynabook の展示がありました。
最近はPCメーカー各社で 1kg前後のノートPCが登場しています。既に目新しいものではなくなった感がありますが、ここに来て dynabook からエンパワーテクノロジーでゲームも楽しめる軽量ノート 「dynabook RZ Special Edition」 が展示されていたのでご紹介します。
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TGSということもあり、本機はコンシューマモデルとのことですが、「薄く軽いのにゲームが楽しめる」をキャッチコピーにハイスペックな仕上がりとなっています。主なスペックは下記のとおり。
dynabook RZ Special Edition
OS | Windows11 Home |
---|---|
CPU | Intel 第13世代 Core i7 1370P |
液晶画面 | 14.0型ワイド(16:10) WUXGA |
ストレージ | SSD 1TB PCIe4.0 |
メモリ | 32GB LPDDR5 4800対応 |
質量 | 約1.05kg |
バッテリー | 24時間駆動 |
ブース担当者のお話によると、グラフィックこそIntel CPU内蔵の Iris Xe グラフィックスを使用していますが、従来のノートPCから設計を見直し、筐体にマグネシウムを用いることで排熱効果をあげ、軽量ゲームであればストレス無くプレイできるとのこと。その他特徴として、キーボード入力のしやすさをイチから見直し、前述のマグネシウムと相まってボディ剛性も高めているようです。
※マグネシウムは剛性を保ちつつプラスチックよりも薄くできるので軽量化に役立っています。
レビュー後記
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ゲーミングマンションの紹介ブース
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ニトリのゲーミングルームコーディネート
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ドスパラのGALLERIA 紹介ブース
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IO-DATAではゲーミングモニターの展示も
ざっと駆け足で見てきた東京ゲームショー2023。今回ご紹介した以外にもゲーミングマンションの紹介や大手家具メーカーによるゲームルームをまるごとコーディネートした展示があったりと話題は尽きません。もちろん一般の方が本命とするゲームアプリに関するブースもたくさんあり、年に一度のゲームの祭典にふさわしい内容でした。そして9月24日に大盛況のもと閉幕したとのことで来年もまた楽しませてくれることを願っています。