APC UPS を購入された皆さんは UPSの管理をどうしていますか。導入してからは停電や電源断に怯えることが無くなりますが、データ破壊などを防ぐためにはシステムを正常に終了させる必要があります。UPSのバッテリー残量が残っているうちに対応できればよいのですが、給電時間内にPCのシャットダウンが出来なければ停電を先延ばしにしているだけになってしまいUPSを利用している意味は半減してしまいます。
これを解決するには停電あるいは電源が絶たれた時にPCやサーバーを正常にシャットダウンしてくれるような環境を準備してあればよいのですが、来客応対や一時離席などもあるので必ずしも停電の瞬間にPCやサーバー環境の前に常駐しているとは限りません。
それにちょっと専門的なことを言えばPCやサーバー機器には「電源を入れる順序」、「電源を切る順序」が決まっているのでシステムを終了しシャットダウンする際に指定された順序を守り、復旧起動の際にはこの逆の手順を踏まなければシステムの故障やデータのクラッシュということにもなりかねません。
そんな時に便利なのが専用の電源管理ソフトウェアになるのですが、同社では UPS管理ソフトウェア PowerChute シリーズを提供しています。この PowerChute は電源障害が発生した際に手順どおりに自動でシャットダウンする機能をはじめ、スケジュールシャットダウン、イベントログの取得、遠隔操作機能、電源の状態やアラート等の情報を メールで管理者に通知する機能も備えています。
今回は切り口を変えて UPS本体ではなくソフトウェアに焦点を当て APC PowerChute シリーズをご紹介します。
電源管理ソフトウェア PowerChute
-
PowerChute
Personal Edition -
PowerChute
Business Edition -
PowerChute
Network Shutdown
製品名
PowerChute
Personal Edition
PowerChute
Business Edition
PowerChute
Network Shutdown
推奨環境
PowerChute Personal Edition
SOHO・ホームユース
PowerChute Business Edition
中規模オフィス・サーバルーム
PowerChute Network Shutdown
中規模〜大規模オフィス・サーバルーム
特徴・用途
PowerChute Personal Edition
・APC ES/RSシリーズ対応
(製品ページよりダウンロード無償提供)
・簡単インストール、簡単設定
・パフォーマンス履歴・概要表示
PowerChute Business Edition
・電源状態を常に把握し、的確な状況判断やトラブルシュートが容易
・SNMPによるマルチエージェント管理が可能
PowerChute Network Shutdown
・冗長電源を持つサーバに使用可能
・さまざまなOSに対応
・1台のUPSに接続するPCマシンの台数が多い場合の管理が容易
・ネットワーク通信
インターフェース
PowerChute Personal Edition
専用インターフェース
PowerChute Business Edition
Webブラウザを使用
PowerChute Network Shutdown
Webブラウザを使用
対応OS
PowerChute Personal Edition
Windows
PowerChute Business Edition
Windows / Linux / VMware (HA構成除く)
PowerChute Network Shutdown
Windows / Linux / Solaris
HP-UX / AIX / Mac / VMware / Nutanix /SimpliVity / HyperFlex
ラインナップ
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
For Windows &Linux (VMware 含む) |
SSPCBEWLJ |
Smart-UPS 500/750/ Lithium-ion 400VA用 |
SSPCBEWLJ |
PowerChute Network Shutdown
For Windows | 1ノード:SSPCNSWL1J 5ノード:SSPCNSWL5J |
For Virtualization※1 | 1ノード:SSPCNSV1J 5ノード:SSPCNSV5J |
For Specialized OS※2 | 1ノード:SSPCNSSP1J 5ノード:SSPCNSSP5J |
※1 : Microsoft Windows Hyper-V,VMware ESXI,Nutanix,Cisco HyperFlex,HPE SimpliVity 対応(各システムでHCI環境含む) ※2 : UNIX および Mac OS対応
※1 : Microsoft Windows Hyper-V,VMware ESXI,Nutanix,Cisco HyperFlex,HPE SimpliVity 対応(各システムでHCI環境含む)
※2 : UNIX および Mac OS対応
対応APC社製UPS
PowerChute Personal Edition
APC ES シリーズ(BE425M-JP を除く)
APC RS シリーズ
PowerChute Business Edition
Smart-UPSシリーズ (5000VA以下)
PowerChute Network Shutdown
Smart-UPSシリーズ
接続方式
PowerChute Personal Edition
USB通信
PowerChute Business Edition
シリアル通信(RS232C)
USB通信 (一部のLinux、VMwareでは対象外)
PowerChute Network Shutdown
ネットワーク通信(TCP/IP)
接続ケーブル長さ
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
シリアル通信 :UPS側接続ポートから最大6.3m
(標準 1.8m + 延長 4.5m)
*Smart-UPS LCD (SMT/SMX) シリーズ 2m(延長不可)
USB通信 : 3m
PowerChute Network Shutdown
Ethernet Network仕様に準拠
必須アクセサリ製品
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
なし(UPS1台に複数台のコンピュータを接続の場合にはAP9624が必要)
PowerChute Network Shutdown
・Network Management Card 2
[AP9630J/AP9631J]
・Network Management Card 3
[AP9640J/AP9641J]
*UPSにオプションのネットワークカードを装着
1台のUPSに対する
管理可能な接続台数
PowerChute Personal Edition
1台
PowerChute Business Edition
最大3台まで(AP9624を使用)
PowerChute Network Shutdown
最大50台まで(50台はUPSへのシャットダウン指示まで含めたフル機能を利用可能な台数。障害検知とシャットダウンのみの場合には50セグメントまでインストールすることが対応可能)
SNMP経由のUPS管理
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
○
PowerChute Network Shutdown
○
イベントログ
PowerChute Personal Edition
○
PowerChute Business Edition
○
PowerChute Network Shutdown
○
データログ
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
○
PowerChute Network Shutdown
○
Network Management Card に記録
スケジュール
シャットダウン
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
○
PowerChute Network Shutdown
○
Network Management Card で設定
コマンドファイル実行
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
○
PowerChute Network Shutdown
○
SSH 実行環境
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
–
PowerChute Network Shutdown
○
Email通知
PowerChute Personal Edition
–
PowerChute Business Edition
○
PowerChute Network Shutdown
○
- PowerChuteシリーズの対応OS表を メーカーサイト にてご確認ください。
- UPSごとの対応ソフトウェアについては 電源管理ソフトウェア対応表 にて確認ください。
PowerChute それぞれの特徴
PowerChute は利用環境や規模に応じて 3タイプが存在することになります。テレワークなどでご自宅にUPSを設置される方はおそらくパーソナルエディションでしょうし、小規模~中規模の事務所でのUPS設置であれば一括管理が便利なビジネスエディション、社内ネットワークを組んでいる、あるいは仮想環境下でサーバーを構築されているような環境であればネットワークシャットダウンといったところでしょうか。それぞれの大まかな概要については下記に記載しておきますのでご自身の環境に応じてそちらを参考にしてください。
PowerChute Personal Edition
ホームコンピューターおよびバッテリーバックアップ向けの電力およびエネルギー管理機能を備えた使いやすい安全システム シャットダウン ソフトウェア(PowerChute Personal EditionはRSシリーズ、ESシリーズのUPSを対象としたソフトウェアです)
PowerChute Personal Editionソフトウェアは、長時間の停電またはコンピューターの電源トラブルが発生した場合にシステムを安全にシャットダウンして、データが破壊されることを回避します。比類のないユーザビリティを実現するよう設計されたこの製品は、業界をリードするAPCの電力管理についての専門知識をベースとした最適なPC電力保護を、初めてのユーザーにも提供します。個別の状況に合わせてPowerChuteの設定をカスタマイズすることも可能です。エネルギーコストとCO2のモニタリングにより、保護されている機器のエネルギー消費量をさらに理解できるようになり、エネルギー計画でコストカットを実現できます。注記:機能はBack-UPSのモデルにより、またオペレーティングシステムにより異なります。
PowerChute Business Edition
PowerChute Business Editionは、OSシャットダウン、イベント発生時のアラーム通知等を行う、UPS管理ソフトウェアです。シリアルケーブルもしくはUSBにてコンピューターとUPSを接続し、コンピューターを万一の電源トラブルから保護します。
PowerChute Business Edition は、UPS管理および、サーバーとワークステーションに対する安全なシステム シャットダウンを行うソフトウェアです。長時間にわたる停電の場合、グレースフルシャットダウンを実行して、データの消失を防ぎ、復旧時間を最小限に抑えます。また同時に最大25台のUPSの監視が可能です。PowerChute Business Editionは高度な通知機能と分析機能を使って、UPS および電源関連の潜在的な問題発生の前に、その原因を突き止める作業をサポートしますので、システムの正常な状態を確保できます。
PowerChute Network Shutdown
PowerChute Network Shutdown は、ネットワーク環境を持ったあらゆるユーザに対応したUPS・サーバ管理ソフトウェアです。APC UPSの管理方法を拡張し、 信頼性の高いネットワーク経由での複数のコンピュータシステムの安全なシャットダウンが行えます。また Network Management Cardと連動し、UPS稼働状況の監視、ロギング、障害通知、電源障害時のコンピューターの安全な自動シャットダウン機能を提供します。WEBブラウザを使用した迅速かつ簡単な設定が可能です。
その他にも、幅広いOS、幅広いUPSに対応し、冗長電源サーバ、ブレードサーバ、仮想化サーバ、シリアルポートをもたないサーバ等、 様々な環境に適したソフトウェアとなっています。