BARCO ClickShare CX-30 実機レビュー

本誌にて以前ご紹介したワイヤレスプレゼンテーションシステム ClickShare が新しくなって登場しました。ClickShare をご存知でない方に簡単に説明しますと、会議室で参加者のノートパソコン画面をプレゼン用のスクリーンに表示させるための機器になります。プレゼンシステムの概要や詳細については前述の記事を参照していただくとして、今回は 新型のワイヤレスプレゼンテーションシステム ClickShare CX-30 について見ていくことにします。

今回ご紹介する CX-30 は以前のモデルと比べて「より簡単に扱える」といったところです。以前ご紹介した ClickShare は パソコンとの接続が USB Type-A でしたが、ClickShare CX-30 は、より便利な USB Type-C モデルとなります。これまでの会議室にあるプレゼンテーションシステムでは HDMI や D-SUB、USBなど様々なケーブルがあり、状況に応じて差し替えて利用され、どれを接続するか迷う場面も多かったり、接続ポート確保のために変換アダプタを用意するなど何かと不便を強いられることが多々ありました。最近のノートパソコン(Windows、Mac、Chromebookなど)は USB Type-C を採用することが当たり前になっているため、せっかくビジネスデバイス側が Type-C を搭載しているのですからこれを利用しない手はありませんよね。

製品概要

それでは製品の概要を見ていきましょう。
箱から出した時点で「シンプルな構成」といった印象です。ClickShare CX-30 の内容物は ベースユニット(本体)1台、CXボタン(USB-C)2個 ACアダプターのみです。一般的なイメージではもっと線や説明書、ドライバCDなどが入っていてセットアップに一苦労すると思っていたのですが、余計なものがないのでわかりやすいですね。

本体には 最大4K出力(30Hz)対応の HDMI 出力×1、LANポート、USB Type-A、USB Type-C が各1ポート、AC電源ポート、本体上部に電源ボタンといった構成です。CXボタンは パソコン接続用の USB Type-C 端子と起動のためのボタンがあるだけです。これなら機械が苦手な方でも操作で混乱することはないでしょう。

製品名 ClickShare CX-30
構成内容 ベースユニット1台、CXボタン2つ
出力解像度 3,840 X 2,160 (4K UHD) @30Hz まで
接続スクリーン数 1
同時投影数 2(最大)
デバイス
ミラーリング
AirPlay、GoogleCast、MiraCast
(MiraCast はファームウェアによる機能制限あり)
通信距離 ベースユニットとCXボタンの距離 最大30m
周波数帯域 2.4GHz / 5GHz
オーディオ HDMI 経由または USBによる
無線規格 IEEE 802.11a/g/n/ac および IEEE802.15.1
ネットワーク接続 有線LAN / Wi-Fi
USB 端子 Type-A x 1、Type-C x 1
モデレータ(司会者モード)機能 あり
タッチパネル連携 あり
ルームドック機能 あり
メーカー保証 5年間

 

なお、ClickShare CX-30 は CX-50、CX-30、CX-20 と姉妹機が存在しており、中間モデルとなります。下位モデルの CX-20 との違いは CXボタンの数(CX-20 は 1個付属)やモデレーター機能の削除などで、上位モデルの CX-50 との違いは 本体のUSB Type-A が CX-30 の 1ポートに対し、CX-50が 3ポート対応など入力端子が上位モデルにふさわしく潤沢になっていますが、いろいろなデバイスを接続したシステム向けといった感じなので、一般的な使い方であれば CX-30 で足りるかと思います。

BARCO社について

ウィキペディアによると バルコ社 は、ヘルスケアの業界へのディスプレイや画像処理関連(デジタルプロジェクションおよびイメージングテクノロジー)などを専門とする会社で、エンターテインメント、エンタープライズ、ヘルスケアの3つのコア市場に焦点を当てており、世界 90か国に 3600人もの従業員を擁し、400件の特許を取得しているそうです。いわゆるグローバルな大企業ということになります。もちろん 日本での拠点展開 もあるので製品サポートも安心です。

動作インプレッション

簡単セットアップ

さて肝心のセットアップですが、CX-30 本体は ACアダプターで電源を確保して会議室の大型モニターに HDMI ケーブルで接続するだけです。CXボタンにしてもパソコンの USB-C 端子に挿してボタンを押すだけです。使い始めの際の設定やドライバ適用なども不要で Windows が自動で処理してくれ、自身のパソコン画面を大型モニターに表示してプレゼンするだけならこれで完結します。

もちろんスマホやタブレット画面の投影も可能で、AirPlay、GoogleCast に対応しています。Apple iOS や Androidデバイスにも対応しているので、AirPlay、GoogleCastに対応していれば機種を選ばない嬉しい仕様となっています。MacOSについては撮影時に検証環境が間に合わなかったのですが、後日検証したところおよそ Windowsと同等の使用感でした。ClickShare が気になる方は本サイトのお問い合わせフォームからデモ検証機貸出をお申込いただきご自身で確認してみてください。

ベースユニット本体の待機画面(HDMIケーブルで外部モニターに接続)

周辺機器との親和性

ClickShare は会議室の周辺機器との親和性が高いのも特徴の一つで、例えばWEBカメラやマイク・スピーカーシステムはドライバ無しで利用可能で、セキュリティーの都合でカメラやマイク非搭載のノートパソコンでっても本機を経由することで利用可能となっています。その他、今回は未検証でしたがタッチパネル連携なども利用できます。

ベースユニット本体にUSB経由で周辺機器を接続

ClickShare CX-30 には USB端子(Type-A、Type-C が各1)があり、ここに環境デバイス(外部スピーカーやWEBカメラなど)を接続可能です。今回は検証として「Jabra GNオーディオ PanaCast 8100-119」「Jabra SPEAK 710+UC ポータブルスピーカーフォン 7710-409 Speak 710 UC」を接続してみましたが、接続した時点で使用可能になっており、特にドライバを要求されたり挙動がおかしくなるようなこともありませんでした。

今回は手近にあったのが上記のJabra製品でしたが、メーカーによるとその他のメジャーなメーカーの製品にも対応しているとのことでした。

レビュー総評・所感

やはりどの角度から検証しても「操作性が抜群」というところに行き着くでしょう。
数年前までのように レガシーポート採用ゆえの AC充電器や HDMI/D-SUB変換ケーブルを持ち歩くことも少なくなり、最近のノートパソコンは充電から周辺機器接続まですべて USB Type-C でまかなうことがあたり前になっています。今回検証したClickShare も例に漏れず USB Type-C 対応になっており時代の流れとユーザーニーズを的確に反映していることが伺えます。

製品評価としては使い勝手、管理のしやすさなどを考慮しても即導入しても良いレベルで仕上がっていますが、海外製ということもあり昨今の円安を受け導入コストがやや気になるのが唯一残念な点かもしれません。いずれにせよ、百聞は一見に如かず、本機はデモ機の手配が可能です。下記よりお気軽にご連絡・ご相談ください。

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